第12話スキルオーブを手渡す



中々な探索だった。

7階層は魔石が多数、自己回復スキルオーブ1つ、風魔法のスキルオーブ4つの大量だよ。

用途不明なハーピーの羽が20羽。研究機関に出せばなんらかの結果が出るだろう。


そろそろ受渡しの日だ。


アカ以外は、血に戻す。

身ばれしないようブラックンのフルフェイスを被る。

顔部分もマジックミラーで全然見えないぜ。

全身が黒い防御服。


準備が出来たので出発だ!


アプリをチラッと見て最短コースで走り抜ける。


階段を駆け上がり6階。


又も走り続ける。

5階。

4階。

3階。

2階。

やっと1階だ。


そしてスライムエリアに入る途中で止められた。


「今日は、ギルドの貸切だ。他へ行ってくれ」


胸のパッジはダンジョンポリス。

そんなダンジョンポリスが4人もいるぞ。


「スキルオーブの運び屋だ。ここで帰ってもいいけど・・・困るのはそっちだけど良いのか・・・」


4人のリーダらしき人物が「探索者カードを見せてもらえますか・・・それかヘルメットを取ってもらえるとありがたい」


「いやです・・・身ばれするなら逃げろと言われてるので拒否しますよ。逃げても・・・取引き不成立なっても、そちらの責任でお願いしますよ。こっちは一切責任を負いませんよ」


難しい顔して「仕方ない・・・通れ」



やっと通れる・・・あ、あそこだな。


「途中でグタグタ言われましたよ。今後・・・そんな事がないように」



幸子「誰から習得しますか・・・」


アメリカ探索者のマッケンが人を押しのけてきた。


幸子「Give me your hand」


俺はアイテムボックスからスキルオーブを取り出して、マッケンの手の上まで浮かせて移動。


「え!空中を浮いて移動するなんて、これって手品なのか!」


もう、うるさいのは、ギルドの偉そうなおっさんだ。

黙ってろと言いたいが我慢だ。


そして血のコーティングを解除。

マッケンは感じるのだろう。


「Is true」と同時にスキルオーブは消えて無くなった。


マッケンは、背に担いでいた剣をアイテムボックスに収納。


「本物だ・・・」と又もおっさんが驚く。


カナダ人、フランス人、ドイツ人、イタリア人、イギリス人、アメリカ人、イギリス人の順番で習得。


ギルドのおっさんが手渡す書面に、皆が素早くサインをする。

マッケンが何か言いたそうにしたが、諦めてこの場から去った。


何の会話もなく皆がさった。


幸子は、探索者と関係者が去るのをジッと見てた。


「地上にあがったようね・・・はい、これはギルドの特別なカードと暗証番号の紙ね。詮索せんさくしないよう確約は取ってるけど信用し過ぎないように。十分に注意する事ね」


これがプライベート口座のカードか・・・外国探索者用で警察の捜査が及ばないウィーン条約(外交関係条約)の特権らしい。

なので簡単に口座金額を捜査だと言って見れるものでもない。


そんなカードが俺の手に・・・



「それから私からの依頼でアイテムボックスのスキルオーブを8つ用意して欲しいの・・・1~2週間の猶予をあげるわ」


「わかった!引き受けるよ」


「そう・・・わたしは帰るね」そんな言葉を残して幸子は去った。



ならばスモールスライム斬って斬りまくって、壁の突起を押してドアに入る。




おそらく豊田駅前ダンジョンに・・・

目の前のスモールスライムを見てひらめいた。

2匹まとめての『しもべ』表示をしたけど、8つまで出来るか試してみよう。



切った指先からピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッと血を飛ばす。


『しもべ』『しもべ』『しもべ』『しもべ』・・・・・と表示。

1つ多いがいいか・・・

ブスッ、ブスッ、ブスッと刺してアイテムボックスのスキルオーブを9個をドロップ。


ドロップしたてのスキルオーブを血でコーティング。

おおお、上手くいったぞ。


そして着替える。

脱ぎながら思いう・・・パンツとTシャツで誰かに見られたらって・・・まさに変態だよ。


「アカも手伝え」


なんとか着替えたら・・・男女が来たーーーー。

一瞬マジかと思った。


「スライムが居る場所ってここですか? 」


「え!・・・そこに居ますよ。危険なので気をつけてください」


指差す先を男女は見てスマホで撮ってた。


「これが最強のスライムなの・・・」


「トップランカーも恐れるスライムだな」


そんな2人を残して出口向かった。




手続きを済ませて広いロビーに、そのロビーのスクリーンで落札の話題が持ち切りだった。


「今回のオークション、凄いですね・・・オークションを開催した「ユニコーン」って会社は、どのような会社なのですか」


「ダンジョンが出現して、まもなく出来た会社です。あの時は法整備が整ってない時期で・・・沢山出来た会社の生き残りの会社です。今でも生き残った事は不思議ですよ」


「それは悪い意味ですか・・・」


「そのような事実はないですね・・・今の有名な企業が企業合併して更に大きくなって、小さな会社は、合併か倒産しかないので・・・」


「それにしても最高金額が60億って凄い金額ですね!」


「落札したアメリカ側がリークしたみたいですね」


「それって」


「裏で色々あったみたいですよ」


「教えてくださいよ!先生」


「それは」


プツンと画面が変わったぞ。

放送事故!


なんだよ!その60億って嘘だろーー。

想像するだけで、眩暈めまいが・・・


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