第6話

長い食事を終えた2人は現状についてもう一度詳しく話していた。


「俺たちは150年前からアルペダ国と戦争状態にある、この国は30年に1度神に生贄を差し出すことで、神の力を持った異世界人を召喚して戦争に加わってもらっていた、そうして50年ほど経って、やっと有利に戦況が傾いた矢先に、アルペダ国もある日突然異世界人を召喚した、100人もの異世界人をな」


「100人も」


アキは目を細めて聞いた


「その代わり神の力は微力で圧倒的な力の差はあったんだ。それでも神の力だ、100人対1人ではどうにもならなかった。」


「俺の前にこの世界に来た人達は、どんな人だったんだ?」


アキが尋ねると、ヘルジールは悲しそうに窓の外に目をやり話し始めた。


「1人目は暖かい癒しの力を宿した少女だった。2人目は勇ましく、何者も燃やし尽くす青年。3人目はあらゆる知恵を武器に前線で指揮を執った少年、そして4人目は、どんなものでも創造する力を持った女子、いずれも皆、力を使う時命を燃やしていた。言葉の通りにな。」


「みんな、この国のために戦って死んだのか。」


「そうだな…」


ヘルジールは寂しそうに答えた。




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