第2話

ヘルジールは驚いてしばらく固まってしまった。

まさか、唯一の希望が断るとは思ってもいなかったヘルジールは頭をフル回転させる。


説得すべきか、もう一度儀式を行い異世界人を召喚すべきか、

しかし、儀式ではどれだけの時間を費し血を流したか、それを考えると現実的ではなかった。


ならば説得だ。何としても説得する他ない。


ヘルジールはアキの前に片膝をつき視線を合わせた瞬間、説得する気をなくした。


視線を合わせたアキの目に恐怖と悲しみが見えたからだ。


「分かった」


ヘルジールはそう言うとアキの肩を軽くポンと叩いた。


「俺はヘルジール・ヘイズレイド、この国の王だ。お前の生活は保証する、いきなりで驚いただろ、まずはゆっくり休むといい。」


アキは静かに頷いた。


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