第4話:ツーシーターのスーパーカー?
デートは心拍数が程よくあがったままの僕にとっては最高で楽しい時間だった。
手応えは充分あったってこと。
きっと、次につなげることができたはず。
少しだけあった不安は、もう確信へと変わっていた。
だからか彼女が動くたびに石鹸の匂いがした。
石鹸の匂いってめちゃ癒される。
性格は会ってまだ経ってないので、これからのことだけど今の所、
いたってよさそう・・・温厚そうだし・・・。元気だしよく笑うし・・・
どっちかって言うとポジティブ志向なんだと思う。
彼女んちの家族構成はご両親と、あとでひとつ歳上の兄がひとり。
移動や買い物はもっぱらママチャリ。
ってことでデートはめでたく大成功のうちに幕を閉じた。
帰りは彼女と待ち合わせた駅で、次のデートの約束をして別れた。
よかったら家まで送って行くよって言ったんだけど、彼女はここで
いいですからと来た道を歩いて帰って行った。
僕は音色ちゃんが見えなくなるまで彼女の後ろ姿を見ていた。
すばらしい出だしだと消えていく彼女を見ながら思った。
次のデートの約束をもらってるし・・・。
僕と音色ちゃんのデートは主に土曜日が主になりそうだ。
さすがに土・日二日は無理そう。
個人的用事もあるだろうし家のこともあるだろうからデートは
土曜か日曜のどちらかになりそう。
問題はこれからどうしようってことだった。
問題ってのはデートのたびに公共機関利用してたら不便だし自由きかないし、
けっこうお金もバカにならない。
僕は車の免許は就職に必要だから取ったけど車は持ってない。
もし、これから彼女と付き合うなら車は絶対必要不可欠だと思った。
だから中古でもいいから車を買おうかと・・・。
でも次のデートまでは間に合わないそうにない。
そこで親父に車を借りることにした。
親父はなにかと仕事が忙しくしていて、乗ってないベンツのUV車が車庫に
眠ってる。
そいつを借りようと思った。
で早速、親父に聞いてみた、土日で車がいるから貸して欲しいって。
「ベンツは使うからな・・・軽トラならあいてるぞ」って言われた。
まあ、よく考えたら黒塗りのベンツで音色ちゃんを迎えに行くのもな〜。
けど軽トラの助手席に彼女ってオシャレじゃないし・・・。
でも他に借りられそうな車もないしね。
軽トラたってスーパーカーと同じツーシーターだし、しょうがないか。
音色ちゃんにはスーパーカーで迎えに行くからって連絡しておいた。
音色ちゃんは「うそ〜」ってめちゃテンションをあげていた。
楽しみにしてるって・・・。
でも軽トラなんかで彼女を迎えに行って引かれたらどうしよって考えは
その時の僕にはなかった。
とにかく音色ちゃんとのデートになんでもいいから足が欲しかったからね。
つづく。
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