第2話:素敵なサプライズ。
僕は通勤電車の中で「
本当は、自分の気持ちを彼女に告白してそれからって密かに思っていたんだけど
彼女が落としたハンカチがきかっけとお互いの好きなジャンルが一緒ってことで
普通に話すようになった。
お互いを自己紹介して、それから僕は朝ホームで彼女を見つけると普通に
挨拶するようになった。
彼女のいない僕にとって千載一遇のチャンス。
もうすぐ夏休みがはじまる・・・そうなるとしばらくは彼女に会えなくなる。
だから僕は彼女をデートに誘った。
「えっ・・・いいって?」
「それって?・・・イエスってことですか?」
「はい、イエスってことです」
僕は
彼女との初デートだ。
「あ〜よかった~、ほんとによかった〜」
「断られたらどうしようって思ってて、もうドキドキしてて・・・」
「ほんとによかった〜」
「はい、よかったです」
思いがけない彼女からのイエスに一気にテンションがあがる。
僕の横で彼女がクスクス笑った。
妙に舞い上がってる僕がおかしかったんだろう。
僕の住まいも彼女の住まいもこの駅の近くだと言うので土曜日の夕方、
この駅で待ち合わせすることにした。
相手は女子高生だよ・・・本当に誘い出してよかったんだろうか?
未成年だろ?・・・彼女の身内でもない男が未成年の女子連れまわして
大丈夫なのかな?
だけど、今更デートは取りやめになんかできないし・・・。
まあ、夜遅くならなきゃいいかって僕は思った。
自宅に帰ってもテンションが上がったままだった。
デートだ、デートだ、初デートだ。
アドレナリンが出まくってるからなかなか興奮冷めやらず眠れない。
決戦の日は土曜日の夜。
夏の夜の定番イベント、女子高生とのデートにはもってこい。
あえてデートの計画は立てない。
立てないって言うか・・・初デートでなにを計画するんだって話。
さて・・・土曜日までまだ二日ばかり日にちがあった。
その間も僕は通勤電車の中で彼女と一緒だった。
次の土曜日までに、もしかして、
「ごめんなさい、土曜日は用事が出来たから行けなくなりました」
なんて彼女から言われるんじゃないかと、ちょっとビビってみたりした。
一人で馬鹿なことを想像をして心穏やかじゃなかった。
でも、そんなことは取り越し苦労・・・彼女からは 何も言われなかった。
そして明日は待望の土曜日って夜・・・。
(きっと今夜は眠れそうにないよ・・・)
デート当日の土曜日の夕方、僕は待ち合わせ時刻より早めに駅に行って
彼女が来るのを待っていた。
すると駅のロータリーの西側の歩道をこちらに向かって歩いてくる彼女を見つけた・・・んだけど・・・彼女を見た僕は、うそだろ?って思った。
なんと彼女は浴衣姿だったんだ。
僕は彼女はてっきり私服で来ると思っていたから・・・驚いた。
こんな素敵なサプライズってある?
「こんばんは」
そう言って彼女は持っていたウチワをパタパタ振った。
「あ、こんばんわ・・・」
(か、可愛い・・・まじで可愛い・・・)
浴衣は薄い水色に白い牡丹の花びらだろうか全体にあしらわれいて
涼しそうで決して派手じゃないけど彼女によく似合っていた。
「あ、あのその浴衣・・・とてもよく似合ってます」
「ありがとうございます」
「まさか浴衣で来ると思わなかった・・・」
「え?なにか言いました?」
「いえ、なんでもないです・・・行きましょうか」
それはとってもいいデートの始まりだった。
物語の始まりとしては文句のつけようのないシナリオ。
彼女と
僕の恋は花咲くのか、あえなく散るのか・・・?
これからのことはすべて今夜のデートにかかっていた。
つづく。
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