第12章 あとがき
これにて第12章『下剋上成れり!』の完結でございます。
ヒーサ&ヒサコによる二人三脚の国盗り物語。
それがようやく実った瞬間です。
シガラ公爵陣営、守旧派、黒衣の司祭、これら三つ巴の末での謀略劇。
裏切り、脅迫、騙し討ち、いかがだったでしょうか?
二転三転する審理の場面は結構頑張って書いたつもりです。
口八丁と事前準備、まさに戦国の梟雄に相応しい舞台だったのではないでしょうか。
あと息子のマチャシュについて。
始めて息子の名前を出しましたが、茶人・松永久秀の異世界における息子の名前が、抹茶臭というもの。
まあ、これは世界の偉人の中でそれっぽいものをと考えた末でのチョイスです。
マチャシュは中世ハンガリーの王様で、そこから名前をいただきました。
お茶っぽい名前で真っ先に浮かんだのだ(笑)
マチャシュは中世ハンガリーの最盛期を築いた王様で、ラテン語読みのマティアスの方が日本では通っているかな。
水戸黄門みたく身分を隠して国内を放浪し、人々を救ったと言う伝説的な王様。
ハンガリー通貨『フォリント』の1000フォリント札の肖像にも用いられるほどの傑物です。
そして、『ドラキュラ』を作った男でもあります。
『ドラキュラ』はブラム=ストーカー先生の作品ですが、そのドラキュラ伯爵のモデルとしたのがワラキア公ヴラド=ツェペシュ=ドラクルです。
そのヴラドを騙し討ちで捕らえて幽閉し、ドラキュラの下地になるレベルにまでヴラドの悪名を拡散させたのがマチャシュ王です。
つまり、マチャシュ王がヴラドを徹底的に貶めたことにより、後世『ドラキュラ』が生み出される下地が出来上がったと言うわけです。
とまあ、そんな話をしつつ、異世界国盗り物語を完遂させた松永久秀。
しかし、満を持して動き出したジルゴ帝国皇帝。
その正体は第13代室町将軍・足利義輝その人である。
異世界の地にて、ついに因縁深き久秀と義輝の決戦が迫る!
次章『決戦! 乱世の梟雄 VS 剣豪皇帝』、ご期待ください!
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