第5章 あとがき
これにて第5章『動乱の辺境伯領』完結でございます。
動乱と言っても舞台裏の策謀がメインではありましたが、いかがだったでしょうか?
基本的に松永久秀(ヒーサとヒサコ)の視点で各勢力の思惑や裏での動きを見せましたが、個人的にはこうした謀略メインの群像劇が大好物なんですよね。
人の欲望渦巻く悲劇と喜劇、これに勝る娯楽はありません!
特に、王子王女の四人の思惑やすれ違いが見ものとなります。
ヒサコ(中身は七十爺だぞ!)に完全に入れ込んで、周囲が見えなくなっている第一王子のアイク!
為政者としての義務と、かつての失敗を取り戻さんと妹アスプリクとの関係修復を考える第二王子のジェイク!
政争とは無縁でいたいものの、自身の出身である王家と、嫁の実家であるセティ公爵家との権力闘争に巻き込まれる第三王子のサーディク!
英雄(外道)と手を組み、全ての清算を付けてやると意気込む末っ子のアスプリク!
なにより、複雑な利害関係が絡み合い、それを丁寧に付け火をする松永久秀!
まさに“応仁の乱”を彷彿とさせる事態へと突き進んでいきます。
今回は伏線張りの章みたいなもので少し控えめでしたが、次章はガンガンいきますぞ。
それこそ、アスプリクがヒーサに対して「ロクな死に方をしない」と言い切ってしまう程の策謀が吹き荒れる事になります。
どうなるカンバー王国!?
どうなるアーソ辺境伯領!?
それより、魔王はどうなった!?
久秀
「知らん。そんなことより茶が飲みたい」
どこまでも傍若無人! 松永久秀にブレはない!
てなわけで、次章『黒衣の司祭』、ご期待ください!
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