二〇一四年 一〇月十三日、深夜〇時。天気晴れ時々嵐。

 この日起こった竜巻について、このような記録が残っている。

 その竜巻の威力はすさまじく、風速は五〇キロに及んだと思われる。建物すべての窓ガラスは破損。地面にあったもののほとんどが巻き上げられ、宙を舞った。

 死者は出なかったものの、多くのものが破損し、甚大な被害を被った。

 歴史的な災害であるが、一部の人間について、こんな証言が寄せられている。

 一つ…竜巻が巻き起こった時、女性が宙を舞っていた。

 二つ…ある有名霊能者の霊視により、邪な気配を感じたこと。

 三つ…気象学者によると、暗雲が突然現れて突然消え、竜巻が突然現れて突然消えるのは、気象学の観点からは説明ができない超常現象であること。

 以上三つのことより、今回の災害は、何か別の力が働いたのではないか? と、オカルトマニアの間で話題になることとなる。そして補足として、これが関係あるのかどうかはわからないが、こんな目撃談も寄せられた。

 災害直後、皆が滅茶苦茶になった町を見て絶句しているとき、腕にけがを負った若い女が、何もない場所を見つめ、笑いながら歩いていたらしい。

 それはそれは、異様で、そして、幸せそうな光景だった。

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