初詣いきますか?

すでおに

初詣いきますか?

 幽霊は実在するか?いずれにせよ本来存在しないはずのものなのでこの問い自体がナンセンス、存在について語っても意味がないというのが私見です。


 全国でアンケートを取れば「幽霊を見たことがある」と確信を持って答える人は20%以下、せいぜい10%程度と予想します。私はこれまで、100%本物の幽霊を見た。という人に会ったことがありません。はっきり目視できる類のものでもなく確信は持ちづらい。


 そもそも幽霊という概念は、夜になれば月明りが頼りの、現代とはかけ離れた照明事情の世に生まれたものであって、目撃談のほとんどは見間違えと断言して差し支えないでしょう。幽霊が夜に出現するのはそういった理由からで、懐中電灯でもあれば超自然ではないと容易く証明できたことを現代まで引きずっているだけ。雷を神の怒りと怯えるようなものです。


 私もこどもの頃は一人前にお化けが怖く、それはそれは恐怖したものでしたが、いまでは微塵も恐れることはなく、行くところに行けば見られるオーロラとは違い、出会えたらむしろラッキーにすら思えます。怪談話をしていると寄ってくる、好奇心旺盛な自己主張霊など恐怖に値しませんし、涼をとるには怪談よりエアコン。腰痛には温泉よりバンテリンが有効で、科学は進歩しています。


 交通安全のお守りを載せたクルマとそうでないクルマとでは事故の発生率に差があるでしょうか。自動運転自動車の開発の場において、お守りの利益が議題に挙がるわけがありません。

 トラックの車内にお守りが吊られているのを見かけますが「パパ、事故に気を付けてね」と我が子が手作りのお守りをくれたら、目に入る度安全運転を意識しますから、そちらの方がよほど効果的です。

 自転車にしてもお守りを買う代わりにブレーキシューを交換するのが交通安全に寄与します。


 コロナ禍は自粛する人が多かった初詣も来年は例年並みに戻るでしょうが、私はコロナ前から初詣に行っていません。昔は毎年欠かさず行っていたものの、縁起ご利益云々より、出店でじゃがバタを食べるお祭り気分や習慣になっているから行かないと収まりが悪いルーティン感覚でした。『格付けチェック』や『箱根駅伝』も同様の視聴者が多いのではないでしょうか。


 それまでは普通のおみくじを引いていたのが、思春期を迎えると「縁結びみくじ」に代わるのは日本人あるあるかもしれません。「思いがけない出会いがある」との暗示があったとして、相手も引いたおみくじに「思いがけない出会いがある」と書かれていた人に絞られます。


 外国人に「What is this?」と破魔矢を訊かれ「災いを防ぐ魔除けの矢だ」と教えたところ「Wow」と感嘆して購入し、家に帰ってナイフで削って先端を尖らせた。というのは全くの作り話ですが、あの矢をそのまま飾るより先端を尖らせた方が万が一の時に身を守るのに役立ちます。


 というわけで私は来年も初詣にいかない予定でしたが、久しぶりに行ってみるのも悪くないかな。

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初詣いきますか? すでおに @sudeoni

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