T分岐1
「なんなんだよ、アレ!」
花咲小学校から坂を下り走った。
朝にホテルから学校へ向かった道を逆走するルートだ。
こんなことになるなんて思っていなかった、訳が分からない。
坂を下り、後は海沿いにホテルに走るだけ、モヤとの距離は大分離れた。
しかし、走っていた足は急に止まる、いや、止めざるを得なかった。
ホテルの方面からもモヤが迫ってきていた。
急いで引き返したが遅かった。
学校方面から迫っていたモヤが既に目と鼻の先だ。
背後は海、囲まれた…
モヤに飲まれるか海に飛び込むかの2択、どうしてこんな目に…
決断を出来ずにじりじりと堤防に追いやられついに足を踏み外し海に落ちてしまった。
最悪だが、モヤは海まではこないようだ。
このまま近くのブイにしがみついてモヤが晴れるまで待とう。
そう思い沖に向かい泳いだが、背中に先ほどまでなかった感触、まるで子供をおんぶをして欲しくて飛びついてきたような感覚だ。
重い、浮き上がれない。
必死で手足を動かすも身体は沈んでいく…
「●●、会いたかった」
●●、子供のころのあだ名だ。しかもそのあだ名で呼ぶのは彼女しかいない。
今まで感じていた恐怖が不思議と消えていく。
もういいか、身体の力を抜き、彼女と水底へと堕ちていった。
【DEAD END】
ひとつ前に戻る。
https://kakuyomu.jp/works/16817330668125555555/episodes/16817330668129837716
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます