HS分岐2

「やっと戻ってきた…」


つい1時間前と変わらない校舎、それは当然か、むしろココまで不気味な空間になっていたら救いがない。


もう一度校舎に入れば何かが変わるだろう、根拠はないが不思議と確信があった。


そう言えば公園を抜けてから校舎まで人を見ていない、車だってそうだ。

いくら田舎だからって昼間にそんなことあり得るか?

学校の正面の道路は3車線と2車線を分離帯で区切ったそこそこ大きい道路だ、昔は歩道橋もあったほどの道路に今は1台の往来すらない。


違和感はあるが、校舎に入らないことには始まらない。

おかしなことはもう沢山だ。


「は? 開かない…」


まだ、公開時間のはずの玄関は施錠されているのか、押しても引いてもビクともしない。それなら裏の非常階段はどうだ?


どうにかして校舎に入ろうと思案していると今まで来た道から”黒いモヤ”が迫っていることに気が付いた。


火事のときの黒煙のような、すすが舞ったような、とにかく”モヤ”としか表現できない何かが近づいてくる。


あれはまずい。


本能的にそう感じる、理屈じゃない、せっかく辿り着いた校舎だけど今すぐ逃げないと大変なことになると頭の中で警鐘が鳴り響く。



【港方面へ逃げる】

https://kakuyomu.jp/works/16817330668125555555/episodes/16817330668132564292


【緑町通りへ逃げる】

https://kakuyomu.jp/works/16817330668125555555/episodes/16817330668130437035































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