第18話 勝負!

バレーをする時間になったので…


「へぇ。結構、本格的なコートじゃない」

と借りたバレーコートに来た。

「最新式じゃ無いが、手入れはちゃんとしているから十分に使える」

と剛野先輩が言った。


「一応聞くが…ボールはあるのか?」

「ある~~」

と緩い声で樹理が剛野先輩の疑問に答えた。

「まぁ、いらないです」

「本当にいいのか?不滅の石柱の研究結果をもとに作られた最高位の魔導師の全力の魔法攻撃でも破れない、なんだが」

と言った瞬間に


キラーン!

と海斗の目が光った気がした。

「それは本当かい?」

「あぁ、内部に特殊な魔導具が入っていて、それが表面の革を保護し、耐久力を上げている」

「…ということは不滅の石柱は魔導具…」

「海斗。話がずれてる。…じゃあ、借ります」

と言った。


「元より料金に入ってるから好きに使え。コートを囲う様に張っているネットも同じ原理で保護されているからコート内だったら全力の出し放題だ」

とこっちにボールを投げてきた。


「それと不滅の石柱は魔導具じゃねぇことが証明されてるぞ」

と言って剛野先輩は元の場所に戻っていった。


====


「じゃあ、やるか。組み合わせはどうする?」

「私と海斗、澪と征人は?魔法vs.力って感じで」

と言うが…


「いや、なんで俺が力側なんだよ」

「僕も樹理も魔法が得意。余った君たちで組むのは力関係無く自然なことだろう?」

「別にいいじゃない。それに…」


『私と組めば、確実に勝てるんだから』


「澪、言ったねぇ。…魔法が万能なこと教えてあげよっかぁ?」

「魔法の素晴らしさを教えてあげようか。丁度絶好の魔法日和びよりだからね」

「いや、魔法日和なんてないだろ」


====


『だって本気でしょ?』

と澪が人型になって本気のスパイクを撃ったり


『ちょっ!それ反則でしょ!』

『入らなければいいのだ!』

樹理が氷の壁で防いだりと、結構やりたい放題していた。(樹理は自分たちのボールが入らないことに気づき、すぐさま溶かした)


衝撃波で地面にあった砂が舞い上がったり、時折魔法が地面に当たって炸裂したりと、コートの中はすごいことになっていた。そんな中で俺は…


「澪、がんばれ~」

「…いや、しようが無いにしても…もうちょっとなんか…力でなんとかしたらどう?」

全力で防御魔法で守りに入っていた。


「魔法に勝てる腕力を普通の人間は持たないだろ。その代わり澪が逃した、俺が反応できるやつは全部防御魔法で弾いてんだからいいだろ」


そんな感じで色々な手を使いながら点を取り合った。


====


終了時間になって剛野先輩が来た。


「おぉ、時間までやり続けてたんだな」

「ふふふ。爽快な試合だったよ。僕の魔法でね!」

「本当に割れないものなのね」

「楽しかった!」

と各々感想を言っていると…


「で、どっちが勝ったんだ?」



「「「「あ」」」」



誰も勝負だと言っておきながら、点数を数えてなかった。

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