第16話 海

ザァァァ〜

キャー!アッハッハァ!


「いやぁ~。あついあつい」

「ふっふっふ!魔法をかけてあげようか!」

「いや、自分で氷魔法かけるからいい」

俺たち、いつもの四人は泳ぐために海に来ていた。


ここは海水浴ができる海岸で、色々な人々が水着を着て遊んでいる。

「ここにパラソルは立てて良いよね?誰もここを使っていなさそうだし」

「…他の人の邪魔にもならなそうだから大丈夫だな」

俺がそう言うと澪は砂浜にシートを引き、パラソルを立てた。


「じゃあ、波に乗ってくるよ。魔法が僕を呼んでいる!」

と言って海斗はダッシュで海にいった。

「いや、そこは波じゃないんかい」

「ん?海斗はいつも通りだね~」

「そう言う樹理もだよ。あんた、いくら使ったの?」

と腕いっぱいにかき氷やスイカ(切られている)など甘いものを抱えていた樹理に澪がしかっていた。

「いつも思うけど…太るよ」

「良いこと教えてあげよっか~。太っても痩せればいいんだよ!」

馬鹿みたいな事を言っていると思うだろうが、樹理は本当にできるから困る。実際に今体型がもろに出るビキニを着て、注目を引きつけている。

ちなみに海斗と俺の水着はサーフパンツでさらに俺は上着も羽織っている。澪はパレオだ。


「そっかぁ。そんなこと言うなら持って来た手作りデザート持って来たんだけどな~。あ、征人。食べる?今ならもう一個付いてくるよ」

「えぇ!食べる!私も澪のデザートた~べ~る~!」

と樹理がうるさくなるが、それよりも大きなざわめきがありあるところに人が固まっていた。

「澪、ちょっと見てくるわ」

「行ってらっしゃい。あ、デザートは残しておくから」

「私のは~」


====


集団の中心には

「あのさぁ、俺の言っていること分からねぇのか?」

「君こそこんなことをやっていいと思っているのかい?」

金髪のいかにも人に迷惑をかけそうな陽キャと黒髪短髪の中肉中背の男が向かいあって言い合いをしていた。

「俺に手間をかけさせんなよ。難しいことを言ってるつもりはねぇんだよ。「一緒に来る」ただそれだけのことも出来ねぇのか?大人ってやつは」

「…そこまで言うのであればこちらは警察を呼ぶぞ」

「あぁ?」


一見すると金髪の男が黒髪の男を恐喝しているように見えるが…

「警察はがもう呼んでんだよ。…嬢さん?言い寄られて無理矢理体を掴まれたのは合っているよな?」

「は、はい!その一緒に飲まない?とか言われて…」

「それにお前、前に注意を受けていたよなぁ?」

「…チッ!」


金髪の男はこの海岸の警備と監視をしている団体の上着を来ており、俺はこの人物を知っている。

「団長、この場を収めてください。こいつが逃げ出しても俺一人で十分です」


百野高校3年 剛野ごうの武久たけひさ。俺の先輩にあたる人だ。

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