第14話 散髪

今、美容院に来ている。


チャキチャキ


「あの~予約して来たんですけど」

「はい。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「西塔です」

「西塔さまですね。どうぞこちらに…」


チャキチャキ

美容院の内装はおしゃれで部屋に席がまばらにある店だ。

もちろん俺は髪を切りに来た。あと母親に言われて眉毛も整えろと。


チャキチャキ

周りを見ると色々な人がいる。例えば


「どうですか?髪の長さはいかがですか?」

「ふむ。良い感じです」

斜め前に白髪のイケメンがいる。どうやら髪を切り終えたようで前にある三面鏡や店員が持つ鏡で整えられた髪を確認している。


「では、こちらも頼みます」

と、確認を終えたのか羊になった。どうやらイケメンは獣人種だったようだ。ちなみに獣人種も3形態に変化することができる。

「はい。いつも通り5cmで良いですよね?」

『はい』

ジャキン! ジャキン!

と店員は伸びた毛を大雑把に切り始めた。


特に美容院ではこういった注文は珍しくはない。もちろんその分金はかかるが、自分でできない場合が多いので大抵の店のオプションにある。

「…では次は髪を流しますので…こちらに」


====


店員にシャンプー台に案内された。他の場所を見ると…


ジャーーーーー

『♪♪』

「後15分ですよー」

『分かりましたー。でも後もうちょっと』

「延長は別料金をいただきますよー」


シャワー台のある部屋のさらに向こうにある縦長のガラス窓の扉の部屋の中のガラス張りの箱の中にはシャワーを浴びている大きな鳥(鳥の獣人類)と外で時間を計って呼びかけている店員がいる。

大きな鳥の種類の獣人類となると自宅で水浴びをするのも水道代も大変になるらしい。そのため一部の大きな美容院には有料で時間制限ありではあるが、そういった人達の為のシャワーの個室がある。メニュー表に載っている為、金額を知ってはいる。というか金額がカットの数倍は違うので嫌でも目に入る。


====


シャンプーが終わり髪を乾かして粗方終わった後…


「ポイントを使いまして…カットの料金は4028円になります」

「すみません1万円でお願いします」

「はい、1万円お預かりします」


ふと横に顔を向けると


『あぁ~そこそこ~』


魚が椅子で体をもまれている。おそらく髪を切り終わった魚人類シネアだろう。マッサージを受けてと思うのだが…


手に包丁を持っていたら完全に解体シーンなんだよな…

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