第12話 ゲームセンター

ビュンビュン!

ガシャンガシャン!

ダンダンダン カチャカチャ

ガガガ!

ガヤガヤ


「さあ!どれからやろうか!」

今、俺達はゲームセンターに来ている。


====


箒型の機械に跨ってシューティングゲームをやっている人間もいれば、コインゲームをやっている獣人種、リズムゲームを複数本の腕でやっている魚人種など、様々な人が様々なゲームをやっている。


ちなみに一部のゲームの筐体きょうたいでは触った時点で魔法無力化の効果がプレイヤーに付与されるようになっている。というのも初期の頃に魔法を誤って放ってしまい人に怪我をさせる、筐体を壊すなどの事件が多発したからだ。悪用はできず、筐体から離れた時点で付与効果は解除され、プレイ中は絶対に付与効果が解除されない様になっている。


「征人はそっちで狙ってくれないか?」

「いや、そっち取り終わってからやれよ。俺は他のところに行ってるから」

「OK」


そう言って海斗と別れてクレーンゲームのところをうろついていると


『かわいい!!小さな魔石!大量入荷しました!』


と様々な色の魔石が積まれている筐体が目に入った。


いや、誰得なんだ?小さな魔石は?


魔石は天然のものはダンジョンで取れ、人工なものは魔力を特定の宝石に込めることで作ることができる。大きな、1mを超えるととんでもないぐらい高額で取引される。拳ぐらいの大きさでも魔導具、魔法機械に使うために企業が買い取る程だ。ただ…


「これぐらいの大きさだと誰も買わないんだろう」


大きければ小さく加工できるが、小さいものを大きくするのは難しい。何処かの企業が小さい魔石を組み合わせて魔導具を作っていたが魔石同士をくっつけるための接着剤が必要だったりして費用的には変わらない、むしろ大きい魔石1個より高くつくらしい。


「…」

チャリ

「…取りあえず取ってあそこに送っておくか」

ガチャン!ピロリン!


====


「ふ~む。もう少し前かな?」

「まだやっていたのか?」

「征人…は魔石を取っていたのかい?またあの人のところに?」

「それしかないだろ。あの人も「魔石?欲しい」って言っていたし…」

「……いや、もう~いらないんじゃないのかな?」


====


とある研究所


コンコン

「はい」

浜走はまばしり先生。お荷物が届きました。机の上に置いておきますね』

「分かりました。今行きます」

 ガチャ


「誰から?」

「征人君からみたいです」

「いつもの?」

「…たぶん」

ガサガサ


「…」

「…そうですね」


ガクッ!

「先生、膝から崩れ落ちないでください」

「…………またかぁ…」

「いい加減、「もういらない」と言えばいいのでは?」

「いやさ。せっかく送ってきてもらったし、なんか悪いかなって」

「…今、倉庫に段ボール130サイズ何個分あると思っているのですか?」

「…14」

「はい。今すぐ断りのメールを入れてください」

「使わない?」

「使わないと言えば嘘になりますが…」


結局メールはしなかった。

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