第2話 五十木 海斗
「やあ!昨日の魔法学の授業は楽しかったね!」
「昨日の普通の授業の話を翌日までするのはお前しかいない」
登校中、やかましいヤツが話しかけてきた。
コイツは
「なにを言っているんだい?あの魔法は基礎の中でも美しいんだ!例え普通の授業でも話さない訳にはいかないだろう?」
コイツは魔法を美しいとか言う、頭のネジが数本吹き飛んでいるヤツだ。魔法の授業の後にコイツに話しかけると、魔法式や魔法の発動の瞬間、魔法を発動したことによって起こった事象の美しさについて語ってくる。テンションが高いと勝手に語ってくる。クラスの一部の人間はこのことについて知っているがそれでも人気なのがコイツだ。
で、コイツは俺の小学生のころからの付き合いで普通の人が知らないコイツのことも俺は知っている。
「で、なんでそんなにテンションが高いんだ?」
「よくぞ聞いてくれた!流石、僕の親友!」
すると、スマートフォンの画面を見せてきた。
「つい最近始まったイベントをすべて回りきってなんとか報酬を集め切れたのさ!もちろんガチャもコンプ済みさ!」
コイツは魔法以上に二次元オタク。漫画の新刊や新しく始まるものが出れば即買いに行き、コメントが付けられる放送のアニメには大体いて、ゲームもほぼ全てやっている。コイツだけ1日が24時間じゃないと思われても仕方ないぐらいだ。ちなみにゲームが下手という訳ではなく、何ならそれぞれで第一線に立っているレベルの猛者だ。
「早いな。あと2週間ぐらいはイベントあるだろ?ゆっくりやればいいのに…」
「チッチッチ!ここからイベントで手に入れた
魔法では頭のネジが数本吹き飛んでいるが、二次元に関してはネジがすべて吹き飛んでいる前提でそもそも頭が無事なのか怪しいレベルだ。
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ちなみに…
「海斗君、なにをやっているの?」
「うん?見るかい?」
「いや、いいよ。悪いし。ところでさっきの授業のここなん…」
「五十木君、何の本を見ているの?小説?」
「小説(ライトノベル)さ。よかったら貸してあげようか?」
本人は別に隠そうともしていない。
スマートフォンではアイドル系統のアプリゲームのイベントの周回をしているし、小説の表紙、裏表紙、背表紙は本屋で着いてくるカバーで隠れているが、マイナーなライトノベルを読んでいる。
そんなやつだ。
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