3「捜索」

 大伯母さんの書斎にて。私と魔法使いのロトリーは彼の大伯父さんが書いた本を探すことになった。

「ロトリー、本のタイトルはわかるの?」

 二人とはいえ山程ある本の中から目的の一冊を見つけるのは難しい。

「もちろんさ。ところでマリ、洋書のある棚はどこだい?」

「洋書?」

 なぜ洋書なのかと聞こうとして、一つの可能性に思い至った。

 ロトリーは異世界から来た魔法使いで、それは彼の大伯父さんも同じこと。つまり異世界の言葉で書かれている可能性が高い。

「そういえば、どうしてお互いの言葉通じてるの?」

「簡単な話さ。僕の世界には翻訳魔法というものがあるんだ」

「なるほど……」

 要するに私達の世界で言う所の自動翻訳機能が自在に使える魔法が存在するということだろう。便利なもんだ。

 本好きの大伯母さんでもさすがに洋書はそれ程持っていなかったようで、目的の本はすぐに見つかった。

 私の方はロトリーの反応で察した。

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