第3話

次の日、ドキドキしながら自室の扉の前に立つ。午前8時。家から学校までは10分なので、余裕は十分。そっとドアノブに手を添え、すっと押す。すると扉の向こうには学校に行くまでの道が続いていた。どうやら今日はどこかの家につながってしまったらしい。いよいよ繋がる先の法則がわからなくなってきた。いつも同じところに繋がるわけではない。しかし全く知らない場所に行き着いてしまったこともない。釈然としないまま学校へ向かった。

次の日も、その次の日も、この奇怪な現象が続いた。いつでも、学校の近くのどこかに出てくる。最近はこれを利用して遅刻することが減った。先生にも「少しは高校生としての自覚が出てきたんじゃないか。」と言われて少し誇らしい。帰りもこのシステムが使えるおかげで帰宅にかかる時間を短縮できた。こうなってしまったものはしょうがないと私はこの扉を最大限に活用していた。

ただ、少し困ったことが起きてしまった。扉がどこかへ繋がる時に法則性はない。つまり、部屋の外に行きたい時に外につながってしまうことがあるのだ。

(私が使いたい時だけ繋がってくれればいいのに…)

扉の性能を残念に思いながらおやつを食べに行こうと思い、扉を開けると公園が見えた。はあっとため息をつきながら私は扉を閉めた。

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