第2話

「いやいや、なんで?」全く頭が追いつかない。とりあえず誰かに見られないうちに、自分の部屋に飛び込んだ。バタンといつもより乱暴に扉を閉め、しっかりと鍵をかける。え?普通こういうのってもう一度扉を開けるとただの階段になっているものじゃないのなんて思う。今わかっていることは、自分の部屋のドアが学校の非常階段のドアになっているということ。それだけ。窓から外を見るとやはりいつもと寸分違わぬ景色。どうしよう、いやこれはこれで便利なのでは?とりあえず落ち着くためにお茶を飲みに行こう。何気なくそう思い、ドアノブに手をかけてハッとした。これ、まだ学校に繋がっているのでは?どうしよう、このままずっと部屋から出られないってこと?お母さんが帰ってきた時、これってどういう状況になっているんだろう。ええい、もうどうにでもなれ!勢いをつけて飛び出して、その勢いのまま私は自宅の向かいの部屋のドアに激突した。

どうなっているのだろう。痛む頭をさすりつつさらに混乱した頭を宥めようとする。自室のドアを開けると自宅の廊下に出る。ただそれだけの極めて普通な状況が今は異様な状況に思えてくる。どういうこと。このドアが学校に繋がるには何か条件があるってこと?とにかく今このドアはただのドアだ。またこんなことがあったらまた考えよう。そう思って私はお茶を飲みに下へと降りていった。

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