小説のsの字もない駄文集。

かようろ

夢。



皆1度は持ったことがあるだろう夢。


憧れて語って散って、また憧れて語って散ってゆく夢。


純粋無垢な夢から現実味を帯びた将来を描くものになっている夢。



ある時、私は『アイドル』になりたかった。

ただ何も考えず憧れをまとっていればよかった。



ある時、私は『漫画家』になりたかった。

「アイドル」にはなれないと悟った。

自分の容姿は整っていなかった。

でもまだ夢を見ていた。



ある時、私は『小説家』になりたかった。

「漫画家」にはなれないと悟った。

自分は絵が描けなかった。

それでも夢に縋っていた。



ある時、私は『お金をたくさん稼げる人』を望んだ。

「小説家」にはなれないと悟った。

自分は文才がなかった。

夢に溺れる時間はなかった。



ある時、私は『会社員』を望んだ。

「お金を"たくさん"稼げる人」にはなれないと悟った。

自分にはお金を"たくさん"稼ぐ力はなかった。

現実を見る他なかった。



夢?


それは本当に夢だと言えるのだろうか。

学校でも、社会でも。

小さい頃はよかった。

でも次第に夢を押し付けられた。

自分の夢は「良い職業」で埋まった。

夢は現実味を帯びた目標に変わった。


改めて、

自分の夢はなんだろうかと

あの頃の私に聞いてみたい。

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小説のsの字もない駄文集。 かようろ @kayouro_kaku

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