捨てられた子猫
第2話
───にゃ?
気付けばそこは真っ暗な場所だった。
真っ暗とはいうが、なにも見えない訳じゃない。障害物などはしっかりと見える。まぁ、猫族の特権というものだ。
にしても、久しぶりに四足歩行をしている気がする。
S級ランクのモンスターと対峙するときとかは、流石に自分の本能に任せて四足歩行で闘うが、それ以外は普通に二足歩行だ。
それに比べ、今は意識してもしなくても四足歩行しか出来ない。
天井が凄く低くはあるのだが、そのせいではないようだ。
取り敢えず現在の状況をより理解するために、ここからでなければ、と微かな光が差し込む隙間に向けて歩いた。
──ッにゃ、にゃにゃ……?
どうやら、俺は大きな社の床下部分に居たようだ。にしても大きな社だな。ギルド総本部よりも大きそうだ。
そういえば、東洋の絵巻物を読み漁っている時、見たかもしれない。でも、あれでは、そうそう大きそうには描いてなかったんだよなぁ。
──?
目の前の大きな社に感嘆していると、なにかが聴こえたような気がした。
『………………みゃぁみゃぁ……』
やっぱりだ。どうやら、この鳴き声は、さっき出てきたこの社の中から聴こえているようだ。
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