第10話

LV39になった。

日数的には20日程度だろうか?

あと何日かすればLV40に到達できるのではないかという予感はある。

まぁ元の世界のゲーム的に言えばの話ではあるが・・・

今日もソロ狩り頑張ろうと集合場所に向かうと、狩場を元の場所に変えようと言って来たのであるが、え?嫌ですけどとは言えなかった。

仕方なく、本当に仕方な・・・いえ、ノリノリで侯爵家令嬢のバフも切ったことで大苦戦して撤退して来ました!!

今、侯爵家令嬢は「こんなはずじゃない、こんなはずじゃない」とぶつぶつと独り言を呟く呪いの人形みたいになっております。

正直言って近寄りたくないよ。

負のオーラでも出ているんじゃないかと思えるほどに暗いよ。

うん、死ななかったのは奇跡だ。

あ~死ななかったのは俺だ。

まだまだあのエリアには通用しないようで、何とか生き延びたことで珍しく神に感謝したよ。

この世界に来た時以来の感謝かもしれない。

正直言えばこの世界に来た時、心で大喜びした。

「俺の時代来たーー!!」とかあの時一人なら叫んでいたと思うぞ。

それ程までに歓喜したのは今は昔である。

さて、公爵家令息・侯爵家令嬢の2人のバフを切ったことで大苦戦を強いられた。

聖女おうじょ様の回復魔法が無かったら死者出ててもおかしくなかったかも・・・

それ程にヤバい状態だっいた。

うん、以前の狩場はバフ込みの適性LVと言うのが確認できたよ。

俺は理解したけど、彼・彼女たちは理解してくれたのかな?

多分調子悪い位に思ってる?


「今日はエリザベートも不調の様でしたわね・・・」

「「も、申し訳ございません・・・」」


うは~2人ともハモったよ。

王女は溜息を吐いて訓示を続ける?


「いえ・・・少し疲れが溜まっているのかもしれませんね」

「いえ・・・はい・・・」


侯爵家令嬢だけが辛うじて返事返せたね~

公爵家令息は項垂れているのみ。

王女様は更に話して今後の予定を言う。


「明日から二日程お休みと致しましょう」


そう言ってから王女は立ち去って行った。

うん!二日休みの間に何しようかな~とか思う。

最近は素材も沢山手に入れたし、色々とやりたいことが多い。

そんな俺のウキウキ気分が顔に出ていたのか公爵家令息が噛みついて来た。


「おい!カス!!何ニヤニヤしているんだよ!!」

ドカッ!!


足を蹴られた・・・以前よりも痛く感じないのはLVUPの効果なのであろう。

しれない。

まぁLV差あっても勇者と魔法使いじゃね~物理では勇者に軍配が上がるよ。

おっと、それが解っていて何時も物理なんだろうけどね~


「あ~本当に調子悪いみたいだね。痛くも痒くもないよ」

「おま・・・そうだ!調子が悪いだけだ!!」


怒りを押し殺して公爵家令息もその場を立ち去る。

ふふふふふ~あははははは~勝った!!

こんなに気持ちが晴れるのは何時以来かな?

凄い快感!!テスト明けにゲーム解禁して必殺技が綺麗に決まった時位の快感!!

おっと、まだ侯爵家令嬢が残って居たわ~

ふと彼女を見るとこちらを怪しげに見ている。

何かに気付かれたと言うことはないだろうけど、早々に退散することとした。


「じゃあ、俺も帰るよ」

「早く何処か行け・・・」


うは~何か怖いぞ侯爵家令嬢。

目が座ってて、一緒に居たら刺されそうなくらい怪しい雰囲気・・・


★~~~~~~★


アランもエリザベートも何だかおかしい・・・

アランは大分前からだけど、今日はエリザベートも動きに精彩を欠いていた様で、モンスターの攻撃を受けるとよろけていた。

以前はお荷物ゆうしゃを守りながらでもある程度余裕があったのに、何故、急にこうなったのか?

私も不調に陥るとああなってしまうのかを考えると怖い。

いや、私に限ってそれは無いか・・・

城に戻ると珍しくお父様が御呼びとのことだ。


「エカチェリーナ参りました」

「おお!我が愛しの娘よ!!今日は帰りが早いな」

「はい、今日はPTメンバーの調子が悪い様で・・・最近疲れが溜まっている様なので早めに切り上げて明日から2日間休みとしました」

「おお!そうかそうか!!して、勇者様との仲はどうじゃ?」

「どうじゃとは?」

「うむ・・・何か進展はあったかなと」

「いえ・・・特には・・・」

「そうかそうか、まだお互い若いしの~結婚はまだ2~3年ほど先じゃしな」

「はい・・・」


父には勇者に礼の装備を渡していることを伝えていない。

使えない勇者であると言うのもまだ私たちがもっとLVを上げて誰にも文句が出ない程になってから公表をと考えている。


「時に、明日休みならば、勇者様と夜会にでも参加してはどうだ?」

「いえ、勇者様はあまり表に出たがるお方ではなくてですね・・・」

「ふむ・・・そうなのか?それならば仕方ないな」


何とか父と話し終え自分の部屋に戻る。

何だかどっと疲れてしまい、無作法ではしたないけど、そのまま寝入ってしまった。

今日は本当に疲れたからかもしれない。

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