プロローグ⑬(私、サラに会いたいにゃん…)

「はぁぁ♡ニーナさん可愛いです♡

 その可愛い衣装にわたしのあげた猫耳と尻尾がよく合ってます♡ぐへへ、じゅるるっ♡」


「にゃはは…ありがとう…

アンナちゃん、よだれ出てるにゃよ…?」

 

「はっ!すいません!」


アンナはハンカチで涎を拭いた。

  

「あはは、お見苦しいところをお見せしちゃいましたね。

 それでその衣装はどうされたんですか?」


「ああ、サリーちゃんからもらったのにゃん。」


「そうだったんですね、サリーちゃんから…

 ふむふむ、なるほど…」


「何にゃ…?」


「サリーちゃん、また衣装作りの腕を上げたわね…

 それによくわかってる…」


「何がにゃん…?」


「私もニーナさんはこういう可愛い系の衣装が

 絶対に似合うと思ってたんです!

 うんうん、衣装作りを教えた先生としてとても誇らしい!」


「んっ?アンナちゃんがサリーちゃんに

 衣装作りを教えたのかにゃ?」

 

「はい、3年前から!まぁでもいまでは私よりサリーちゃんの方がすごく上手になっちゃったんですけどね。」


「そうにゃの?」


「はい!」


(にゃれ?確か…)


−ニーナの記憶にあるサリーの言葉−


"アンナちゃんは私なんかよりはるかに上手で

 衣装作りの神なんですよ!"

 

(ふっふ、二人共、似たようなこと言ってるにゃん。本当に仲がいいんだにゃん。)


「それってドレスのように見えて防具なんですよね…

ゴクリッ。ニーナさんはこれを着て、依頼とかに行く予定とかは…?」


「まぁ、せっかく貰ったし…強い防具だって言ってたから、着るつもりにゃけど…?」


「やったぁ!私の人生の楽しみが増えました!」


「大げさすぎるにゃいか…?」


「そっかぁ。そうなら、私も…ふっふ…」

 

「にゃ?どうしたにゃん?」


「ニーナさん、お願いがあります!」


「にゃ、何かにゃん…?」


「私の愛用のカメラで写真撮ってもいいですか!」

 

「ってアンナちゃんもかにゃ!?」


「駄目ですか…?」


「そんな目で見られたら…断われないにゃん…」


「じゃいいんですね!今すぐカメラ持ってきますね〜!」


(にゃはは…似た者同士すぎるにゃん…)


それからの私はこの猫耳と尻尾、ゴスロリ装備で

冒険者ギルドから受けた依頼をこにゃしたり

サリーちゃんと遊んだり、アンナちゃん、レイアさんを入れて撮影会をしたりして、人間としての日々を過ごしたにゃん。

・・・・・だけど…にゃのに…なんでかにゃ…

やっぱり…心のどこかで拭えない寂しさがあるのにゃん…

理由はわかってるにゃん…これはきっと、サラに会いたいからにゃん…


−ニーナが異世界に来てから、およそ三週間後−


「おはようございます、ニーナさん!

 今日も冒険者のお仕事ですか?」


「うん、そうだにゃん。

 夕方ぐらいには帰って来れるようにするから

 晩御飯お願いするにゃん。」


「わかりました!美味しいの作っておきますね♡」


「うん、ありがとう。行ってきますにゃん。」


「行ってらっしゃ〜い!」


ニーナは軽く柔軟体操をしたら、冒険者ギルドまで走り出した。


「今日も一日頑張るにゃん!」


だがこの時点ではニーナは予想すらしてなかった

"必ず幸せにしてみせる!"と誓うことになる

あの"運命の少女"との出逢いがあることに…

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