プロローグ⑪(私、サリーちゃんと町を回るにゃん!)

「それじゃ、また明日、来ます。」


「私も明日、来るにゃ。」


「はい!お二人共、お待ちしております!」


二人はキレ・ウルフの依頼達成の書類を受付に出して、報酬を貰い、建物を出た。


「サリーちゃん、一つ聞いていいかにゃん?」


「はい、なんですか?」


「さっき私が受付でキレ・ウルフの素材を出した時に

 受付のお姉さんに"まさかお一人でキレ・ウルフを倒したんですか!?"って質問されて

 私がそうだって答えたら、あんなに一斉にみんな驚いていたのはなぜなのかにゃ?」


「あはは、そりゃそうですよ。

 本来ならキレ・ウルフはたとえ一匹でも

 Eランクの冒険者が2、3人ぐらいはいなければ

 倒せないと言われているモンスターなんですよ。」


「にゃ、そうにゃの?」


「そんなキレ・ウルフをFランクの戦闘初心者である

 ニーナさんがたった一人で倒したなんて聞いたら

 誰だって驚きますよ。

 自分もニーナさんから聞いた時は驚きましたもん。」

 

「にゃ?でもサリーちゃんは一人で戦ってたよね?」


「ふっふん、黙っていましたが

 自分はこう見えてDランクなんです!」


「にゃー。もっとありそうに見えるけどにゃ?」


ニーナは揺れたサリーのふくよかな胸を見て言った。


「ちょっちょっと、どこ見て言ってるんですか!?」


「にゃ?あまりにもよく揺れたからつい…」


「もっもう!変態みたいな事言わないでください!」


「そんな怒らなくても…?」

 

「オッホン、それはそれとして。

 ニーナさんこれから、一緒にお昼御飯でも食べに行きませんか?」


「いいよ!お腹空いてたにゃん!」


ニーナのお腹がちょうどよく鳴った。


「えへへ、ほらにゃ。」 


「ふっふ。ニーナさんって無邪気というか

 子供っぽいというか、とにかく面白い人ですね。」


「んっ?そうにゃ?」


「ふっふ、行きましょうか?」


「うん、行くにゃん。」


それから私達は近くの和食屋に入って

お昼御飯を食べたにゃん!


「ありがとうございました!」


「ふぅ、満足にゃん。あそこの魚料理、美味しかった。」


「また一緒に食べに来ましょうね。」


「もちろんにゃん。」


「次どこか行きますか?

 用事がなければですけど?」


「だいじょうぶにゃ、行こう。」


「どこか行きたい場所とかありますか?」


「うーん、そうだにゃ…?」


するとサリーちゃんがじっと私の顔を見つめたにゃん。


「にゃ?どうかしたかにゃん?」


「あっ、すみません、ニーナさんって

 幼くてお人形さんみたいに可愛いから

 ロリータ、ゴスロリの衣装がすごく似合うんじゃないかなって〜て思って、つい…」


「ロリータ…?ゴスロリ…?それはよくわかんにゃいけど…?

 サリーちゃんが今、着てるみたいなのがそうなのかにゃん…?」


「ええ、そうですよ。」


「だったら着てみたいかにゃ、可愛いし…」

 

「ほっ本当ですか!?」


「顔近くないかにゃ…?」


「きっとニーナさんなら!

 この衣装の良さをわかってくれると思ってましたよ!付いてきてください!」


腕を組んで、強引に案内を開始した。


「にゃにゃ!?一体、どこに行く気にゃん!?」


「自分のお姉ちゃんがやってる服屋さんです!」


「にゃにゃんで!?」


「私が趣味で作ったコスプレの衣装を

 そこで売ってもらってるんです!

 私の作った衣装の理解者、第三号のニーナさんに

 こないだ作った自信作の衣装を

 プレゼントしたいなと思いまして!そして!」


「そっそして…?」


「私の愛用のカメラで撮影させてください♡」


「何で!?」


私はサリーちゃんに案内されるがまま、町中を全力で突っ走るのだったにゃん…

というかサリーちゃんの行動力すごすぎるにゃん!


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