プロローグ⑨(私、戦闘を初めて見たにゃん!)
私達は進んだ森の中で、隠れて近づいてきていたキレ・ウルフの群れに気がつけば囲まれていたのにゃん。
「ヴヴヴッヴァヴ…」
「多分、こいつらかなり強い方のキレ・ウルフですね…
キレ・ウルフとは何度か戦ってますが、こんなに隠れて近づくのが上手いやつらは初めてです…」
「確かに見た感じ凶暴そうだにゃん…」
「全部で12匹か、数も多い…
所でニーナさんは奴らがいると
どうやってわかったんですか?」
「さっき微小だけど、移動してくる音と獣の息遣いのような音が聞こえたような気がしたのにゃん。」
「ニーナさんってすごく耳がいいんですね…?自分には全然、聞こえませんでした…?」
「そうにゃの…?」
(もしかして、私の聴力って
猫の頃と変わってにゃいのかな?)
「ヴヴヴァヴァ!!」
「はっ!!」
「にゃ!!」
「今は落ち着いて話してる場合じゃなかったですね!」
「私、一緒に戦うかにゃん…?
まだ戦えるかどうか、わからないにゃいけど…」
「いえ、だいじょうぶです。これでも自分はギルドではエースと呼ばれてるんです。
自分一人で倒してみせますよ、ニーナさんは安心して見学しててください。」
「うっうん、信じるにゃん!」
(サリーちゃん、すごい自信だにゃ…)
「あっでも、ニーナさん、絶対に自分から離れないでくださいね?
バリアが解除されて、攻撃をくらってしまいますから!」
「わかったにゃん!」
「じゃあ、先手必勝、攻撃開始です!
今、流れる風、鋭い矢となりて攻撃となせ!
風の矢(エアーアロー)!」
サリーは風を操り、矢を作り出すと二匹のキレ・ウルフの頭を貫いて倒した!
「ヴァァ…」
「まずは二匹!」
「痛そうだにゃ…」
「ヴヴヴァ!!」
すると仲間を倒されて怒った、キレ・ウルフ5匹が二人に飛びかかった!
「にゃっ、大勢、来るにゃ!」
しかしニーナを襲おうとした2匹のキレ・ウルフがバリアに頭突きするも跳ね返されて、血を吹き出して、即息絶えた。
「これも痛そうだにゃ…」
「ヴヴァ!!」
そして三匹のキレ・ウルフに襲われたサリーは余裕で攻撃を躱していた。
「接近戦はむしろ好都合です!
今、流れる風、刃物に纏い強力な武器となせ!
風の短刀(エアーナイフ)!」
握る短刀に小さな風の渦を纏うと
物凄い速さでキレ・ウルフ3匹の首だけをはねた。
「これが冒険者の仕事なのかにゃん…」
「ふぅ、残るはあと5匹!」
「ヴッヴァァ…」
「にゃ…?攻撃して来ない…?」
キレ・ウルフ達は怯えた様子で後ずさりをしていた。
「もしかして、逃げるつもりかにゃん…?」
「逃しませんよ!今、流れる風、強固な輪っかとなり
敵を拘束せよ!風の輪っか(エアーリング)!」
逃げようとするキレ・ウルフ達を風の輪っかで全匹、拘束した。
「ヴァヴァ…」
「怯えてるにゃん…」
サリーは表情一つ変えずに怯えるキレ・ウルフ達の首をはねた。
「ふぅ、依頼達成です。」
「まさか、逃げようとする奴まで倒すとは思わなかったにゃん…」
「少し残酷に見えたかもしれませんね…
でももし、逃がしてしまっていたら
また近くの村の人達が襲われるかもしれません。
それをさせないように退治するのが
今日の依頼内容でしたから。」
「だけどにゃ…」
「ニーナさんは優しいですね。」
「そっそんなことはないにゃん…」
「倒したこの子達を無駄にしないように
モンスターから素材を取る講義をしたいと思います。」
「素材…?それって一体なんだにゃん…?」
「簡単に説明するとですね、このキレ・ウルフだと
キバや爪は武器や薬を作る材料になったり
毛皮は衣類を作るのに役立ちますし肉は食用になります。
だからそれらを素材として、持ち帰ることで
自分で利用したり、冒険者ギルドで買い取りをしてもらって、役に立ててもらうんですよ。」
「そうか、それならこの子達も少しは浮かばれるかもしれないにゃん
それで素材を取るにはどうしたらいいにゃん?」
「まずはですね、ナイフまたは切れる物を
手に取って…こうして…ああして…」
「にゃるほど…にゃるほど…」
私はサリーちゃんから丁寧に素材の取り方と保存方法などを色々、レクチャーしてもらったにゃん!
「ふぅ、以上ですね。
自分が教えられることは大体、教えました。」
「ありがとう、大変勉強になりましたにゃん。」
「いえいえ、ニーナさんのお役に立てたなら何よりです。
自分はこれから今日の依頼を受けた村に
報告と達成の印鑑をもらいに行くので
ニーナさんはお先に冒険者ギルドに戻っていてください。」
「わかったにゃん!」
「それじゃあ、また後で、冒険者ギルドで会いましょう!」
「あっうん、気をつけてにゃん!」
「ありがとうございます!」
サリーは笑顔で手を振ると走って行った。
「走るの速いな、もう見えなくなったにゃん
さてと帰るとするかにゃ。」
すると草むらをサッサッサッと移動する音が聞こえた。
「こっこの音…」
『ヴヴヴッヴァヴ…』
「まっまさか…?」
不安は的中して、バサバサバサッ!と茂みから一匹のキレ・ウルフが現れた!
「ヴヴヴァ!!」
「まっまじかにゃ…」
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