プロローグ⑧(私、いきなりピンチにゃん!)
「今日はよろしくお願いするにゃん。」
「あっ!はっはい!
こっこちらこそ…よっよろしくお願いします…」
私とサリーちゃんは冒険者ギルドの前で待ち合わせしていたにゃん!
「にゃれ?もしかして緊張してるのかにゃん?」
「実はそうなんです… よく考えたら、自分が人に何かを教えるなんて、今回が初めてなもので…
上手に教えられなかったらと思うと…胃がキリキリしてきた…」
「だいじょうぶ、そんなに気負わなくていいにゃん!」
「そっそうですか…?」
「私はサリーちゃんに教えてもらえるだけで
ありがたいと思ってるにゃよ…?
だから、気楽にやってほしいにゃん…?」
「ふぅ、わっわかりました。
ニーナさんがそう仰ってくれたので、少し緊張がほぐれてきました。」
「それならよかったにゃん…」
「オッホン。じゃじゃあ、さっそく、モンスター退治に行きましょうか!」
「はい、わかりましたにゃん。」
私はビシッと敬礼するとサリーちゃんの後について行ったにゃん!
−それから約1時間後−
「着きました、この森です!」
「森に入る自体初めてだから、何だかワクワクするにゃん。」
「森に入ったことないんですか?」
「外は危ないからって、ずっと家に居たからにゃ。」
「へっへえ、ニーナさんっていい所のお嬢様だったんですね?」
「そっそんなにゃ…」
「あっ!ちょっと待ってください!」
「何にゃん?」
「先頭は自分が歩きますから。」
「何でにゃん…?」
「ニーナさんにはまだ伝えてませんでしたね。
今日、自分が退治しに来たのはこの森の近くにある、村を襲撃して
畑や民家を荒らし、たくさんの怪我人を出した
この森に住むキレ・ウルフのという魔物の群れなんです。奴らは凶暴で初心者冒険者だと勝てない可能性が高いんですよ。」
「そっそうにゃんだ…?」
「でも安心してください。
ニーナさんには自分の術で、バリアを張っておきますから。」
すると私の周りに透明な硝子のような空間が出来たにゃん!
「これがバリアってやつにゃの…?」
「そうです。このバリアの中にいれば
キレ・ウルフ達にどこから攻撃されても
ニーナさんは攻撃をくらう心配はないです。
それに強度も強いんですよ、叩いてみてください?」
「わかったにゃん。」
ニーナはドンドンッと強く叩いて確かめたが、傷一つもつかなかった。
「すごい、本当にゃ!これなら安心だにゃ!」
「でも自分の半径2メートル以内から
離れたりしないでくださいね?
バリアが解除されてしまいますから。」
「覚えておくにゃん!」
「じゃあ、探索を開始しますよ。」
「うっうん!」
私はサリーちゃんから離れないように後ろをついて行ったにゃん!
「ねぇ、サリーちゃん?
そのキレ・ウルフって群れはどこにいるのかにゃ?」
「うーん、どこかにはいるとは思うんですけど
なんせそのキレ・ウルフは隠れて敵を襲うのが上手いんですよね…
なので、もし隠れているのだとしたら、見つけるのに時間がかかってしまうかもしれません。」
「にゃるほどにゃ、隠れるのが上手いのか…」
すると近くの草むらをサッサッサッと何かが素早く移動する音が聞こえた。
「にゃ?何か音がしたようにゃ?」
「本当ですか?私は聞こえませんでしたが…」
「しっ、静かに。」
ニーナは目を閉じると耳をすませた。
「ニーナさん…?」
"ヴヴヴッヴァヴ…"
「はっ、サリーちゃん!
もう私達、囲まれちゃってるにゃん!」
「えっ!?」
それに合わせたのか、バサバサバサッ!と茂みから何かが次々に現れた!
「ヴヴヴァヴァ!!」
「そっそんな、いつの間に!?」
「こいつらってもしかして!」
「ええ、私達が退治を依頼されたキレ・ウルフです!」
「なんてこっちゃにゃん…」
私達はキレ・ウルフの群れに完全に周囲を囲まれていたのにゃん!
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