プロローグ⑦(私、教わることにしたにゃん!)

「ただいまにゃ〜〜。」


「ニーナさん、お帰りなさい!」


私は冒険者ギルドから宿に帰ってきたにゃ。


「どうでした?冒険者ギルドで

 無事に冒険者登録はしてこれましたか?」


「うっうん、だいじょうぶにゃ…

 ちゃんと登録はしてきたにゃん…」


「ほっ、それならよかった、私、少しだけ心配してたんですよ。

 出掛けるときに地図はいちよう渡したけど

 ニーナさんこの街に昨日来たばかりだって言ってましたし、もしかして道に迷ったりしてないかな?って

 でも余計な心配だったみたいですね。」


「にゃにゃのね、言うの恥ずかしいにゃけど…」


「ほえ?なんですか?」


「予想は大当たりしてるにゃん…

 冒険者ギルドに向かう途中、道に迷ってだにゃ…

 その…私、迷子になったにゃん…」


「やっぱりそうだったんですか!」


「あっでっでもにゃ、道に迷って困ってたら、親切な女の子が声をかけてくれて!

 その子に冒険者ギルドまで連れてってもらったのにゃ!」


「そんな親切な人に出会えたんですね。」

 

「君の親友だって言ってたにゃよ?」


「サリーちゃんでしたか。」


「そうそう、そのサリーちゃん。あの時は本当に助かったにゃ、サリーちゃんってすごく良い子にゃね。」


「えへへ、そうなんですよ。

 サリーちゃんはすごくいい子なんです。

 私の趣味で作るコスプレをいつも喜んで着てくれますし。」

 

「にゃはは…確かに喜んでたにゃん…」


「それにサリーちゃんは強い冒険者で

 この町の冒険者ギルドのエースって呼ばれてるんです。

 今度、色々と教えてもらったらいいと思いますよ!私からお願いしておきますから。」


「ああ、それにゃんだけどね?実は…」


−今から15分前…冒険者ギルドからの帰り道−


「さっきはごめんにゃ?

 驚かせるようなことを言ったみたいで?」


「気にしないでください。

 でもまさか、冒険者自体を知らないで、冒険者登録をしたいって人は自分、初めてでしたけどね。」


「にゃはは…そっかにゃ…」


「あっそうだ。だったら明日、行こうと思ってる、自分のモンスター退治の依頼に着いて来ませんか?

 冒険者の事で自分の教えられることなら、教えてあげられると思いますから。」

 

「いいのかにゃ?迷惑にならないのかにゃ?」


「むしろ、ニーナさんみたいに

 可愛い後輩に頼られるなら自分、嬉しいですから。どんどん頼りにしてください。」


「あっありがとうにゃ。えっと…サリー先輩!」


「えへへ。照れますから、呼び捨てでいいです。」


「じゃじゃあ、サリーちゃんって呼ぶにゃん!

 これからよろしくお願いするにゃん!」


「こちらこそです。」


二人は手を握り合った。


「とまぁ、そんな感じにゃん。」


「そうですか、いや〜親友としてすごく誇らしいなぁ。今度、あったら褒めてあげよう。」


「にゃはは、そうしてあげて。」

(でもこれには続きがあるんだけど…

 まぁ言わない方がいいかにゃ。)


−さっきの回想の続き−


「あの…そのかわりじゃないんですけど…お願いがあるんです…」


「にゃ?何にゃん?」


「その…また猫耳と尻尾をつけさせてもらってもいいですか?」


「あっうっうん、いいにゃんよ…?」


「あっありがとうございます!」


再びニーナから借りて、猫耳と尻尾をつけた。


『はわぁぁ〜♡やっぱり可愛い♡

 アンナちゃんのコスプレ着けた自分、世界一可愛い♡』


『そっそうにゃね…でもなるべく早く猫耳と尻尾を返してくれるかにゃ…?』


『Beautiful♡』


『聞いてないにゃん…』


私は半ば諦めて、心の中でため息をついたのにゃん。


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