プロローグ⑥(私、冒険者登録したにゃん!)

「着きました!ここがこの町の冒険者ギルドです!」


「やっと着いたにゃぁ…ここが冒険者ギルドにゃのかぁ…。」


「さっ、中に入りましょうか。」

 

「あっうん!」

 

私は恐る恐る、建物の中に入ったにゃ。


「にゃにゃぁ…すごく広いにゃぁ…

 それにあっちこっちに見たことない格好をした人達がいっぱい居るにゃね…?」


「ニーナさん、受付は奥にあるんですよ、そこまで行きましょう。」


「にゃ?わかったにゃ?」


私はサリって子の後ろについて行って

受付まで向かったにゃん。でもその道中…


«ガヤガヤガヤガヤ…»


「にゃ…?気のせいかにゃ…?

 みんな、私を見てる気がするんにゃけど…?」


「あはは、それは仕方ないですよ

 ニーナさんのその姿、目立ちますもん」


「にゃ?目立つ?なんでにゃん?」


「えっ?だって?

 猫耳と尻尾とつけて歩いてたら、目立ちませんか?」


「にゃ?そうなのかにゃ?」


「あはは、流石ですね。」


「にゃー。ということはみんなあまり良く思ってないのかにゃ…

 私が猫耳と尻尾をつけてること…」


「むしろ逆だと思いますよ、ほら。」


「にゃ?」


『なぁなぁ!

 あの猫耳と尻尾つけたあの子、超可愛いよな?』


『ああ、あんなに猫耳と尻尾が似合う女の子

 俺、初めて見た気がするぜ。』


『ウフフ♡たまんないわ♡

 抱きしめて、頭をナデナデしたい〜♡

 あと出来れば、あの可愛い顔に

 熱いチューもしたい〜♡』


『私、あの子に話しかけようかな♡』


『あ〜!ずるい!私が先に話しかけたい♡』


「ふっふ。どうです?

 ニーナさんの猫耳と尻尾姿、みんなから高評価ですよ?」


「うっうん…なんか照れるにゃん…」

(一部、言ってることが変態みたいな人がいたような気がするけど… まぁ、いっかにゃ…)


「着きましたよ、ここが受付です。」


「にゃ?誰もいないにゃ?」


「たぶん、奥の部屋にいるんだと思います!

 この呼び出しベルを鳴らせば、すぐ来てくれますよ!」


チリン、チリン!と呼び出しのベルの音を鳴らした。


「は〜い!今、戻ります〜!」


奥の扉から受付の女性が現れた。


「サリーさんだったんですね!お帰りなさい!」


「ただいまです!」


「ということは今回も無事にモンスター退治の依頼を達成できたんですね!

 流石、サリーさんはうちのギルドのエースです!」


「えへへ、そんなエースだなんて…

 あっそうだ、これ!依頼主から達成印をもらった書類です!」


「はい、確かに受け取りました!

 それとそちらにいる、もう一人の子は…?」


「この子はニーナちゃんです!

 彼女は今日、このギルドに冒険者登録をしに来たらしいんです!」


「どっどうもにゃん!」


「にゃん…」


ぽかーんとした顔をした。


「にゃにゃの?」


「はっ!そっそうなんですね!

 わかりました、では登録の手続きの準備をしますので、少し待っていてもらえますか?」

 

「にゃ?わかったにゃん?」


 〜それから5分後〜


「それじゃあ、さっそく、ニーナさんの冒険者登録の手続きに入りますね!」


「よっよろしくお願いするにゃん!」


「では、よいしょっと!」


ドンッ!と机に大きな鏡を置いた。


「にゃ…?これは…?」


「この鏡に手をかざしてください。」


「にゃ?こうかにゃん?」


〚ステータスを読み込み中…〛


「にゃ?鏡に何か文字が出たにゃ?」


「しばらくそのままでお待ちくださいね。

 次第に鏡にあなたのステータスが表示されますから、それを確認出来たら、登録完了になります。」


「にゃ?ステータス?」


 次の瞬間、ピカピカー!と鏡が光った。


「にゃにゃ、眩しいにゃ!?」


〚名前:ニーナ 性別:女 年齢:14歳 属性:狩人

 基礎戦闘能力:F 出身地:ハル村

 スキル:「レア」動物能力(猫)

 冒険者ランク:未定 仲間登録:未定〛


「これが私のステータスってやつなのかにゃ…?」


「はい!そうですよ!確認させてもらいますね!」


「にゃに、にゃに…?」

(名前…ニーナ…私にゃ!えっと…年齢は14歳?出身地は…ハル村…ハル村!?

にゃにゃ、どっどういうことにゃ?

 私はまだ人間に生まれ変わったばかりで

 この世界で暮らしていた記憶にゃんてにゃいのに

 何でこの世界に私の出身地があるのにゃん?一体にゃんで…)

  

「わぁ〜!すごいです!」


「本当ですね!」


「にゃ、何の話にゃん!?」


「レアスキルを持った人を

 私、初めて見ました!」


「自分もです!」

 

「にゃ?レアスキル?それの何がすごいのかにゃ?」


「えっ!?」

「えっ!?」


「もしかして、ニーナさん、ご存知ないんですか!」


「にゃ?」


「レアスキルとはですね!

 この世界で約1万人に1人の確率で現れることから

 "神から与えられた奇跡のスキル"と呼ばれている、すごいスキルのことなんですよ!」


「へっへえ…そうなんにゃ…?」


「はっ!すみません、私、受付の者なのについ興奮しちゃいました。でも本当にすごいんですよ!」


「いいな〜!同じ冒険者として、羨ましいですよ!」


「そっそうなのかにゃ…?」

(うーん。レアスキル…神様…

 なんかどこかで聞いたようにゃ…?)


〚問題なし。登録完了。〛


「はい、無事に登録完了です。

 今日からニーナさんは冒険者として活動することが認められましたよ。」


「おめでとうございます、ニーナさん。」


「あっうん!ありがとうにゃ。」

(まっまぁ、登録出来たならいいかにゃ…

 ってあれっ?でもよく考えてみたらにゃ…)


「ニーナさん、何か気になる点、質問はございますか?

 なければ、次はランクに合わせた

 ギルドカードを発行する手続きに移ります。」


「にゃの?一つ聞き忘れていた事があったにゃん

 聞いてもいいかにゃ?」


「はい。何でも聞いてください。」


「冒険者ってそもそも何をする仕事にゃん?」


「えっ!?」

「えっ!?」


私の言葉に受付のお姉さんとサリーちゃんは

すごく驚いたような顔をしたにゃ。


「にゃはは…にゃれっ…?」




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