プロローグ②(私、人間になってるにゃん!)

私はまたあの夢を見ているにゃん…

いや、夢というよりもあの日の出来事を

夢の中で思い出しているのにゃん…

そう私がこの世界に転生する前…

私が前世の猫としての生涯を全うした日…


「うっ…眩しい…ここはどこにゃ?

 確か…私はサラの腕の中で…」


『お気づきなられましたか?ニーナさん?』


「誰にゃ?」


『申し遅れました。私はあなたの居た世界ともう一つの世界を管理する神です。』


「神様?そっか…やっぱり私はサラの腕の中で…」


『あなたは猫として、生涯をかけて

 ご主人であるサラという女の子の心の支えになってあげましたね。

 なのでニーナさん、あなたにご褒美として

 お望みだった人間に生まれ変わらせてあげましょう。』


「本当にゃ、神様!?」


『ええ、でもそのかわり

 あなたを人間にしてあげられるのは

 あなたが元いた世界ではありません。』


「えっ…そんなにゃ…」


『それでもかまわないなら人間にしてさしあげましょう。』


「それじゃ意味ないにゃん!」


『ニーナさん?』


「私が人間に生まれ変わりたいにゃは!

 人間ににゃれれば、サラのそばに長くいてあげにゃれる!

 今度は私があの子の事を守って、幸せにしてあげられると思ったからにゃ!

 それにゃのに、サラのいる世界じゃない別の世界で

 人間に生まれ変わるにゃんて…そんなのお断りだにゃん!

 それだったら人間にならなくていいにゃん!

 だからもう一度!サラのいる世界で私を猫に!」


『うっう。ご主人であるサラさんが

 本当に大好きなんですね。

 私、神様ですけど、泣けてきましたよ。』

 

「じゃあ、してくれるのにゃ!?」


『クシュウウ…ふぅ、申し訳ないですが、それは出来ないのです。』


大きな音で鼻をかみながら、申し訳無さそうに答えた。


「なっなんでにゃん!?」


『あなたは猫としての生涯を終える前に

 神である私にこうお願いしましたね。』


"ああ、神様、出来るならにゃ…

 私を人間に生まれ変わらせて欲しいにゃん…"


『あの時にあなたの願いを聞いて

 すでに叶えてさしあげる

 願いは決まっていたのです。』


「今からでも変えることは出来ないのかにゃ!?」


『すみません、それは出来ません。

 一度叶えると決めた願いを変えることは

 神様として、してはならないことなのです。』


「そっそんなにゃ…」


『ですが…私はあなたの気持ちを

 100%くんであげることが出来てなかったようです…

 なので、あなたが人間に生まれ変わって

 異世界で幸せに生きられるように

 私から特別に2つプレゼントを用意いたしましょう!』


「にゃ?プレゼント?」


『あっ!そうだ、こんなのはどうでしょう?

 プレゼント一つ目に、あなたが人間になっても前世と変わらずに

 猫としての能力が使えるようにしてあげましょう!』

 

「そっそんなことが出来るのかにゃ!?」


『はい!私に二言はありません!』


「なんかすごそうにゃのはわかるけど…

でもサラに会えないんじゃ…

絶対に私は幸せにはなれないにゃん…」


『うーん。あっ!だったら!

 2つ目はこれがいいかもしれませんね!』


「にゃ?何かにゃ?」


『うーーーん、それはですね…

 今言うのはやめときましょう!』


「にゃにゃ、何でにゃ!?」


『生まれ変わってからのお楽しみですよ?

 それじゃあ、そろそろ時間なので

 ニーナさんを異世界に転生させますね!はぁぁ!!』


「にゃっ!?まだ行くとは言って…にゃっ眩しい!?」


私の視界が目を開けられにゃいくらい眩しくにゃった!


「にゃ〜〜!!?吸い込まれる〜〜!?」


『サプライズ楽しみにしててくださいね〜!』


「それって、今言うことかにゃ〜〜〜!?」


『異世界でもし究極に困ったら、王都の〇〇で連絡してください〜!』


「にゃ!?うまく聞き取れなかったにゃ!?

 にゃぁぁあああああ〜〜〜〜!?」


私はそのまま、異空間の引力に吸い込まれたにゃん!


「・・・・・・・はっ!?ここはどこにゃ!?

 てか、何でベッドで寝っ転がってるにゃん…?」


私は起き上がると、キョロキャロと辺りを見回したにゃ。


「ここはどこかの部屋にゃのかにゃ…?

 というか…なんだかいつもより、視界が高いような気がするにゃ…?

 それになぜか体がスベスベだにゃ…?

 そしてこの声、女の子の声みたいだけど

 誰がどこで喋ってるにゃ…?アッアッアッ…

 ・・・・・はっ!もっもしかして!」


私はもしかしてと思い、鏡を見てみたにゃん!すると…


「にゃぁぁぁ!!!!?本当にゃん!

 本当に私、人間の女の子になってるにゃん!!」


すると階段をドタドタと上がってくる音が聞こえてきて、扉がバッアン!!と勢いよく開いた。


「にゃ、何事にゃ!?」


「どうかしたんですか!ニーナさん!」


「えっ…?誰にゃん…?」


「やだな〜!ニーナさんが泊まってらっしゃる

 この宿の看板娘のアンナですよ!忘れたんですか!」


「・・・・・そうなのかにゃ…?」


「えっ?本当に私の事、忘れちゃったんですか?

 あっ!もっもしかしてさっきのって、どこかに頭を打って、それで!?」


「いや、頭は打ってないにゃん…?」


「じゃあ、さっきの叫び声は一体?」


「えっ?あっうん…私、本当に人間になってるから驚いてたのにゃん…」


「あの…やっぱりどこかに頭でも打ちましたか…?」


「だ・か・ら、打ってないにゃん!」


「まぁでも…ゴクリッ。」


「まぁでも?何にゃん?」


「語尾ににゃんってつくの可愛くて♡

 はぁはぁ…興奮しちゃいますね♡」


アンナは両頬に手を当てて、涎を垂らしながら体をくねくねした。


「そっそうですかにゃ…」

(変な子だにゃん…)


私は異世界に転生して本当に人間になったことへの驚きが

いきなり現れた看板娘?のアンナちゃんという彼女のインパクトで、一瞬、どっかへ行ったのにゃ…






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