休息
家で久しぶりにゴロゴロとしているとピンポンとチャイムが鳴る
「宅配便でーす」
出ると大きなダンボールを渡される
中々に重い
受け取る
「兄ちゃんかな」
ダンボールを開けると大量の缶詰やカップラーメンが入っていた
「丁度在庫無くなりかけてたし有難い。……これは見覚えないな新作かな?」
カップラーメンの種類を見る
見覚えのない物も入っている、新作だろうか
好きな食べ物と見つけた新作を混ぜて送ってくる
それがどんな味でも目に付いた1ヶ月以内に販売された新作なら詰められている
前回は外れであった、名前からしてダメそうだった
「今回の味は……明太子海藻味……今回は食べれそう。明太子海藻……初めて聞くけど無くはなさそう。前回はとんでもなかったからなぁ。
兄と弟、2人共一人暮らしをしていて兄の方が偶に食料を送ってくる
大体趣味嗜好が合うので新作の味は基本的に弟から聞く
前回は好奇心に負けた
『冬弥、兄ちゃんから食べ物来た?』
『昨日届いた。新作……確か明太子海藻だったか?』
『美味しかった?』
『結構美味しかったぞ』
『今回は当たりか』
『前回が大外れだっただけ』
『それもそうか』
「おっ、美味しいのかラッキー、兄ちゃんこんなにくれてしっかり食べてるのか? 金だけじゃ足りないと思ってるんだろうけど貰えるだけ有難いんだよなぁ」
兄が月に一度2万ずつ口座にこっそり入れている
澪は気付いているが本人は隠しているつもりなのだろうと考え言わない
メールで食料が届いた報告とお礼を言う
返信は帰ってこない、仕事で忙しいのだろう
「ほう、食料をくれる者がいるのか。兄と言っていたが血の繋がった兄弟か」
バルフェリアが話しかけてくる
「そそ、ちょっと年の離れた兄ちゃんが居てね、一人暮らしし始めてから毎月送ってくれるんだよね」
「それ程に兄弟が心配なのだろう」
「相当仕事忙しくて休めてないみたいだからむしろこっちが心配なんだけどね」
「そこまでして働く理由が何かあるのだろう。それよりもダンジョンは?」
「行かない、傷は癒えてるがまだ疲れが残ってるから少し動きが鈍い」
「あぁかなり無理に動かしたからな」
「動画で見た、てか最後あれ何?」
「刀の能力だが?」
「あんな使い方出来なくない?」
刀を扱っていて異能や空間そのものを凍り付かせるなんて芸当はできない、そもそも考えつきもしなかった
もし自在に操れるとしたら
「異能の真髄に触れれば出来る」
「また真髄……」
「正確に言えば武器に宿る力もまた異能なのだ、最大限扱うには異能を深く知る必要がある」
「な、なるほど? 遠いなぁ」
「戦い続ければそう遠くないうちに至れるはずだ」
「そういうもん?」
「そう言う物だ」
「成程、頑張らないとなぁ」
「精進せよ」
ゲームをやりながらバルフェリアと会話をする
「てかダンジョンって2級? 武器は手に入れた訳だし」
ドラゴン型の魔物との戦いで魔石と素材の代わりに剣を得た
最上位のドラゴンが落とした武器、その性能はかなり高いだろう
「いやもう1つの4級ダンジョンへ行く予定だ。彼奴の武器で充分だとは思うが槍を変えるべきだな」
伸縮自在の槍、鱗を破壊するのにも活躍した便利な武器
澪は一本で多彩な攻撃が出来て尚且つ能力が単純で使い勝手が良いこの槍をかなり気に入っている
「これ結構便利なんだけどなぁ。持ち運びとか間合いの変更とか、それに刀だけじゃ鱗砕けなかったし」
「能力を除けば刀に比べれば打撃武器としての運用が出来る分威力は高いがそれはあくまで槍としての性能だ。戦闘特化の異能には劣る、搦手ならば異能で充分」
「まぁ確かに異能の扱い方で充分な気はする。そういえばあの剣はどんな能力なんだ?」
「重力操作、触れた物体にかかる重力を調整する、剣の重さを調整すると言った能力だ」
「あの魔物が使ってた異能の一部か。強い?」
「強いな。剣の重さを最大まで引き上げて振り下ろせばその槍よりも高い威力の一撃となり叩き切れるだろう。触れた物体にかかる重力の調整は敵に触れた際に重くすれば動きを制限出来る」
普段は普通の剣として運用して必要な時に重さを調整して重い一撃、軽いが素早い連撃などが可能
持ち運ぶ時も軽くしておけば負荷が少ない
「かなり強いな。剣の重さを弄るのは慣れが必要そうだけど」
「それは戦えばいずれ慣れる」
「確かにね。本当にバック型の魔導具欲しい。前使ってたバック壊れたし」
ドラゴンとの戦いでバックは破損している
ダンジョンに行く前に変えのバックを買いに行かなければならない
市販のバックでは頑丈でも激しい戦闘に巻き込まれれば無事では済まない
「魔導具の位置は分からぬ。ダンジョンを回り続けるしかない」
「途方もない、ダンジョン用のバック高いんだよなぁ。これからの戦闘を考えると出費がきついなぁ」
「探索者とはそんなものなのだろう仕方あるまい」
特殊な繊維や技術で作られた高性能バック、お値段安くても数十万はする
それだけ頑丈に出来ている、緊急時の簡易的な盾としても使える優れ物
あの戦闘であのダンジョン内で手に入れた剣以外の物は全て失った挙句数十万する防具とバックを失った
報酬剣1本、その剣1つで損失をカバーするだけの価値はあるがそれでも損失がデカい
突如スマホに通知が来る
見ると恋歌からのメッセージであった
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