ゾンビを扱った初めての小説は大槻ケンヂの『ステーシー』と思う。
この小説も『ステーシー』のように、全編に渡って静かな哀感をたたえていて、読みながらドキドキした。
「残り~日」という章題を見るたび「なんとかならないか」と切なくなった。
終わり方はこちらの予想を超えて爽やかで、胸のすく思いがした。
ゾンビはホラーのモチーフだが、この終わり方はまぎれもないファンタジーと思った。
大槻ケンヂ氏がステーシーを書いたときより、時代ははるかに悪くなった。
「だからこそ」読者も作者も切実にファンタジーを求めているのだと思った。
自分が若かったら何度か泣いたと思う。
ホラー……いや美しいファンタジーの傑作です。