婚約解消の先に唯一無二で本来の婚約者と結ばれるラブストーリー

身勝手な婚約者の振る舞いと彼の取り巻きの言い掛かりの末婚約解消したヒロインに、本来ヒロインの両親がヒロインの婚約者にと考えていた彼の兄がヒロイン宅に弟の不始末の謝罪とそれまでヒロインの実家から婚約者の立場で援助された金銭の返金に訪れた際、お互いが惹かれ合い、ヒロインの両親も、彼の人柄に惚れ込む、紆余曲折の後結ばれるラブストーリーであり、結婚に至る過程がとても素晴らしいと感じます。
婚約者に騙されたり浮気されて婚約解消し、薄幸の令嬢のヒロイン像はよく見かけますが、この作品は、夫となる男性も3人兄弟の次男でありながら、両親からは、家督を継ぐ兄を敬い、弟には面倒を見るように躾けられ、一番厳しく、時に体罰を受けながら育った環境は、貴族の子息とは思えない程であった。これは、彼の父親が嫌う祖父に
似ていた事で父親に恨まれた結果ではあるが、兎に角、ヒーローというべきヒロインのパートナーに暗い過去がある点と、上位貴族の令嬢との婚約に至ろうとも、自身が爵位が無い現状、出世して叙爵し、ヒロインと同等の位階になるまで婚約しない強い意志に心惹かれます。