「つまらない映画を最後まで見るな」について

 どうも熊ノ翁です。

 なんか「つまらない映画を最後まで見るのは損切りが出来ない」ってのが話題になっていたんで、それについて語っていきます。

 よろしくおなしゃす!


 とりま、事の経緯を説明します。

 モーニング連載の漫画「インベスターZ」の作品の中で、投資活動をするサークルに所属する学生たちが映画館で映画を見て、つまらないか面白いかの判断をいかに早く行い、その損切行為として映画館を途中退室するまでにかかった時間を測る。

 そこで映画鑑賞を終えて集まったサークルのメンバー内で「金払ったからとつまらない映画を最後まで見る必要は無い。損切って大事だよね」という事を確認するというエピソードがありました。


 その話がまるまる1話Twitter上で公式アカウントから公開された所「そんな映画の見方があるか!」「いやその通りだ!」と賛否両論大炎上してたというのが事のあらましになります。


 うん。

 まあ漫画自体に関しては、ぶっちゃけフィクションで物語なわけですし。

 伝えたい事をわかりやすいエピソードに落とし込み、話を楽しめるように演出するのは当たり前な事なわけで。

 熊は「この漫画が悪い」とは全く思いませんでした。

 投資に関する物語の展開としては極めて真っ当だと思いますし、そもそもそんな事で「これは映画の鑑賞の仕方として間違ってる」だ何だと言い出したら、料理漫画やスポーツ漫画は見れません。


 出されたメシがマズければ、作った料理人を呼びつけて罵倒し、目の前で皿やテーブルをひっくり返して料理をぶちまける。

 そんなグルメ漫画は世の中山ほどありますが、あれで「食事を楽しむ姿勢としていかがなものか」と文句を言うのはちょっとどうかしてますし。

 漫画についてを言うならば、今回のケースもそれと同じ事かと熊は思います。


 んで、それはそれとして。

 このエッセイは「限界物書きの悪あがき創作記」なわけで、物書き的に「つまんない映画を最後まで見る必要はあるか」について考えてみたいと思います。


 まず、大前提として映画を見て楽しむのが目的であれば、見る当人が楽しめるような鑑賞の仕方をすりゃあ良いわけです。

 スターウォーズでもマーベル作品でも何でも「俺はこのシリーズの映画をとにかく全部コンプリートしてやるんだ!」という人は、面白いつまらないに関係なく全部の作品見て仲間内で解釈や感想言って盛り上がるって楽しみ方もあります。

「楽しい物語を出来るだけ多く見たい」って人は、それこそアマプラ高評価作品や何かしらの映画賞を受賞した作品、あと興行収益の高い作品から選ぶって見方をするのも良いでしょう。

 熊個人的には最近のアカデミー賞作品はちょっと危険視してますが。

 2023年第96回アカデミー賞で作品賞受賞したオッペンハイマーは期待してますけどもな。

 監督、熊の大好き「インターステラー」や「プレステージ」を撮ったクリストファーノーランさんだし。


 ちょい話が逸れました。

 後は、例の漫画にあるように少しでも合わない、つまらないと感じたら損切りして見るの辞めるって見方も「映画を楽しむ」上では全然ありかと思います。

 時間は有限ですし、出来る限り多くの楽しい映画を探すためにはそういうタイパ重視の立ち回りが必ずしも間違いとは言えないでしょう。


 と、あくまでこれは「映画を楽しむ」って見方をする場合の話です。

 これが熊のような限界物書きが「物語を学ぶ上でどう見るべきか」となると、映画との向き合い方……まあ映画に限らずですが、変わってくるかもなと思います。


 普通に考えて「面白い物語を書くためには、多くの名作や傑作に触れた方が良い」ってまず思いますよね。

 熊もそれについては「そらそやな」と思います。

 面白い、あと世に評価されている作品に触れて「優れた作品とはどのような物なのか」「多くの人を引き付ける作品にはどういった特徴があるのか」を学ぼうとするのは、実に理に適っているように感じますし。

 てか習字でもピアノでも空手でも何でも「上手い人のお手本を見て参考にする」って超基本ですし。


 それ考えたら、ある種「つまらなそうに思ったら、その時点で損切り的に映画見るの辞める」も正しそうに思えるわけですが。

 しかし「面白い物語を作るために他作品を見て学ぶ」という場合、必ずしもこのスタイルが正しいとは言えないんですよね。

 理由としては、面白いつまらないと「感じる」のはあくまで本人の主観なわけで。

 たとえば、上で熊が「最近のアカデミー賞を見るのはちょっと危険」という意見を述べましたが、これだって熊の主観的な評価です。

「なんでこんな話破綻してるクッソつまんねーポリコレ全開ゴミカス作品が選ばれてて、あのノミネートされてた素晴らしい傑作が作品賞取れてねーんだよ!」と、思う事もありました。

 ですが、そりゃあくまで熊がそう思ったってだけの話で、熊の評価が客観的に正しいかはまた別です。

 あと、アカデミー賞の選考員は映画関係者の皆様なわけで、素晴らしい作品とは何かの見解もまた熊とは違います。

 世間一般とも違ってそうではありますが。


 まあともかく。

 他人から高い評価を得られる物語を作りたいと思ってるなら、自分の感性に合わなかろうが高い評価や人気を博した作品を最後まで見て、手本とする行為が必ずしも間違っているとは言えないでしょう。

 纏めると「主観的につまらない作品でも、客観的に評価されている映画は最後まで見る価値はある」という事です。


 そして、もう一つ。

 主観的にもつまらなく、世間からの評価も低い。

 そんな「つまらない映画」を見る事が、物書きにとって何か価値があるのかについて。

 熊はこちらも「ある」と考えます。


 理由は「何故ダメなのか」「どこがつまらないのか」「どこを変えれば面白くなるか」を考える良い材料になるからです。

 要は、問題集的な活用は出来るよねって事です。

 別に名作映画でも出来なかないわけですが、いかんせん名作はある種模範解答的に世間の評価を得ています。

 そこで「自分ならどうするか」を考えるよりは、あきらかに見てわかる欠点のある作品を「これ、どうすればマシになるか」考えてシミュレーションする方が改善具合もわかりやすいでしょう。

 そういった観点から「たとえつまらない映画でも、物書きが見て学ぶ分には決して無駄にはならない」というのが熊の見解です。


 つまり、アレです。

 何が言いたいかというと「みんな、サメ映画見ようぜ!」という事です。



「つまらない映画を最後まで見るな」について……END


 追記

 こっちのエッセイは、割と低いテンションで創作界隈ネタや熊のアレな執筆生活について語っていこうかなと考えてたり。

 まあだから、肩の力抜いてゆるっと読んでって下さいな。


 あれだ。

 いわゆる「日常系」とか「空気系」とか、そんな感じでやってく予定。

 どうなるかはわからないですが。


 ま、そんなこんなでよろしくおなしゃす!

 


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