1か月で8万文字書いてみた!

「物書きってえのはな。兎にも角にも『書く体力』って奴が必要なんだ!」


 こんな感じのもっともらしい意見が創作界隈でちょいちょい語られていて、まあ実際ごもっともなわけですが。

 いや別に小説書くスタイルなんて人それぞれですし、みんながみんなパチンコの特殊景品さながら書いた文章を換金したいかってーとんなこたぁ無いわけで。

 ただ、ウェブでもそうでなくても「自分の作品を商品としてどうにか世に送り出してゼニ稼ぎたい!」となると、よほど天運か天賦の才に恵まれなければ物量を書けるだけの体力が必要みたいです。

 プロの作家の皆さん、依頼があれば10万文字の長編を大体3~4ヶ月で完成させてますしね。


 あれ「完成した」本文で10万文字だから、そこに至るまでに書き直した改稿と作ったプロット、練った設定の量を考えると、まあやっぱ10万文字位は総量で書いてんじゃねえかなーというのが熊の勝手な想像です。

 てか、周囲の「更新しましたー!」って更新報告しまくってる作家さん方見てると、それ以上の文字数当たり前に書いてる感がヒシヒシとしていたり。

 熊の知る某作家さんとか、前に1か月で100万文字近くとか狂った分量書いてた気が……

 あの人は特例だと思いたい。


 そんでもって。

 別に出版社からの依頼がある状態で無くとも、例えばネットの投稿小説サイトでガチでランキング載ろうとするなら毎日更新出来る位の執筆速度は持っといた方が何かと都合がいいわけで。


 毎日更新。

 恐ろしい響きですよね。

 だって毎日更新するんですよ?

 んで、1話の長さで好まれる分量って3000文字とか言われてるらしくて。

 そして一ヶ月って30日あるわけじゃないですか。

 3000文字×30日で計算すると……ああ、なんて恐ろしい!

 9万文字ですよ奥様! 9万文字!

 ひぃぃぃ!


 書き直したり手直ししたりで1万文字なんて余裕で分量行くでしょうから、そう考えるとやっぱり1ヶ月で10万文字ってのは一つの目安になるのかなと素人の熊はハタから見てて思うわけです。

 まあ、そんな書かずとも結果出されてる物書きさんも世の中沢山いらっしゃるわけですけども。


 ただ、熊は自分がそこまで並外れた才能を持ってるとも天に選ばれし豪運を持ってるとも思えないので、それで勝負するならある程度の書く体力は持っておきたいなと、そう思うわけですわ。


 んで、この書く体力って奴が、熊はまるで無くてですね。

 何も枷が無ければ、一日500文字とかそんなんしか書いていなかったりします。

 いやもうサボりまくりですね。

 よくこれで「印税で左うちわがー」だの「書籍化漫画化アニメ化映画化ー」だのホザけたものです。

 こんなザマで文章でゼニ稼げるようになんて100年経ってもならんでしょう。


 てなわけで。

 強制的に物量書けるようになるために、先月ある企画をしてみました。

 それが「崖っぷち物書き企画! 2023年11月6日~11月30日の期間に8万文字以上何かしら作品を更新する! 出来なきゃ投稿小説サイトのアカウント全削除&Twitterアカウント削除!」という物でして。


 自分の文章をマトモに読んでもらえる場がTwitter位しか無い熊にとって、これは超痛いというか、出来なきゃ実質的に物書きとして死ぬ事を意味しています。

 そんでもって、熊は大手の投稿小説サイトの大半でアカウント登録しているので、それ全部削除となるともうネットでの創作活動はマトモに出来ません。

 こればっかりは熊的にも全力で避けたい所なので、まー頑張って取り組みました。

 その時のツイートを見返しても、最初は「うおおお、やってやんよお!」と勇ましい物だったのが中盤からは「もうダメかもしれん。熊は終わりだ」「なんでこんなアホな企画をやっちゃったんだろう」「11月頭の頃の自分自身を殺してやりたい」といった負のオーラが籠った呟きが増えていき、最終週には「みんな、今までありがとう」「熊はフォロワーさんと出会えて幸せでした」「どうなるかわからないけど、最期まで努力はしたいと思います」等の、死を受け入れた病人のような末期的なツイートを繰り返しておりました。

 本当にいっぱいいっぱいというか、切羽詰まっている様子が伺い知れます。


 結果から言うと、今こうして駄文を書いているように、どうにかやり遂げたわけですが。

 ええと、確か最終日の22時30分とかその辺りに書き上げたような記憶があります。

 タイムリミットまで残り1時間半を切った所で書き上がったっていう、もう本気でギリギリな有り様で、生きた心地がしませんでした。

 ラスト数日とか、本気でうなされて飛び起きましたしね。

 それ位恐怖を感じてました。


「お前、どんだけネットから消えるの嫌なんだよ」って話ですが、うなされて飛び起きる程度には嫌だったようで、課題未達成時のペナルティとしてはそこそこ有用だったんでしょう。

 そんなこんなで、最期はヘロッヘロになりながらですがどうにか書き上げる事が出来ました。

 もうなんか最後のエッセイとか、好きな映画について語り散らかして終わってましたし。

 ひでえもんだ。

 でも書けた。


 どんな感じで書いてたかってーと、小説もエッセイも頭の中に思い浮かんだことをそのまま書くって感じだったので脳内での推敲すら出来ていない状態でしたね。

 妄想しぼりたて100%。

 もうプロットとかそんなん、考えてる時間すらない。

 話や地の文やセリフを思いつくままに書いてく感じ。

 小説の方は「多数決クエスト」って奴で、2023年12月8日現在なろうでは公開中、カクヨムでは未公開って状態なんですがな。

 まあ、文章の荒れっぷりと修正せにゃならん箇所は結構多いよなあって。

 とはいえ、その中でも話の筋自体は直す必要あんま無さそうなので、その点は、うん。まあ良かったのかなって。

 もしも読んでみたいってもの好きな人がいたら、その内多少修正した奴をカクヨムさんの方でも出すしなろう版も少し文章整えるので、気が向いたら読んでやってえな。


 唐突な自作紹介はここで切っておいて。

 この「問答無用で書かざるを得ない状況に自分を叩きこむ」ってのは、熊みたいに無駄に文章を整えようとしたがる、あと自作の書き直しをいつまでもいつまでもやりたがるタイプの賽の河原系物書きには有効かなと思いましたわ。

 何せ、そんなじっくり考えたり好き放題自分の文章手直ししてる余裕なんてまるで無いわけで。

 とにかく書いて、腹くくって更新する習慣は身に付きましたな。

 創作なんて結局のところどこまで作り込んで時間を掛けても「よーしこれでカンペキ!」とはならんわけで。

 労力掛けようと思ったら青天井に掛け続ける事が出来ますしな。

 そんで質を高めるためにも、分量は多く書き上げられるようしておいて損は無いよなとも思うんすわ。

 だって沢山書けるって事は、手直しできる分量も多く出来るって事ですしな。


 まあそんなこんなでえっちらおっちら8万文字書き上げて、これを書いてる12月もまた「2023年12月2日~31日までの間に10万文字書き上げられなかったらアカウント全部消します!」とかTwitterで公言して苦しんでるわけですわ。


 ううむ、大丈夫かな。

 今月文字数2万文字ほど増やしたんだけど、ちゃんとやり遂げられるかね。

 12月7日時点では一文字たりとも新規更新出来てない状態なわけですが。

 とりま来年無事にまた、自作品更新して皆様と会えるよう頑張りますんで、どうぞよろしくお願いしますです!


 この企画をやり遂げることが出来たら、熊は月に10万文字書けるだけの「書く体力」が身に付いているんだ!


 やってやる!

 やってやるぞ!

 ちっくしょおおおおおお!

 

 

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