第10話

ボクがたいいんできたひがめんかいびで、りっくんはやせていたけどげんきそうだった。

「りっくん、だいじょうぶ? ちゃんとたべてる? やせちゃったね……」

「ああ、だいじょうぶ。幸知さちちゃんはどうだ、元気してるか。

君にはいつも元気でいてほしい……」

りっくんはがらすごしにハラハラなみだをながす。

ぬぐうこともしないでがらすにてをついて、ボクもかさねるようにてをおいた。

がらすのつめたさしかかんじられなくて、ボクもつられてなきたくなった。

「だいじょうぶ、げんきだよ、ボクりっくんにあいたくて、たいいんするのおくれてごめん。りっくんだいすきだよ、たすけてくれてほんとにありがとう。りっくんはでれないの? 」

「もう僕は出れないんだ。それに幸知ちゃんの両親とも約束したしな、君のことが好きだよ、好きになってしまった。

だから君は僕のことなんて忘れてのびのび育ってほしいんだ」

「わすれられないよ、りっくん……」

「泣かないでくれ、君の涙をここでは拭えないんだ」

ぎゅっとがらすにおしあてたてをにぎりこんだりっくんは、つらそうにかたをふるわせた。

「また、あいにきてもいい? 」

「もう会わないって約束だから、破れないよ」

りっくんはなきながらわらって、けいかんさんにつれられていった。


「ほんとにもうあえないの? ボクがげんきになればまたあえる? 」

ぽつりといったことばに、だれもこたえてはくれなかった。

ボクはなんどもなみだがあふれてとまらなかった。

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