第7話
僕は1人警察官に割り当てられた部屋で過ごしていた。
直ぐに牢屋にぶち込まれるのかと思いきや、空きがないので待ちだそうだ。
その間に僕が犯したサイバー犯罪の裏を取るのだという。
久しぶりに名前を呼ばれた、
今は誰もその名前で呼ばないから、新鮮だった。
君は苗字からとって、りっくんと呼んでいたが。
ああ、君は無事だっただろうか。細くなまっ白い体躯、肋が多少浮き出た発育不足の矮躯に誰かしらが欲望をぶつけたのだろうか。
レイプ……されたのだろうか。
体を綺麗にした時は気にならなかったが、少女ではなく、もう女だったのだろうか。
無理やりに君の体を暴いた不届き者には、天罰を与えてやりたい。
今は幼女趣味もいるときく、そんな輩に手込めにされたのだろうか。
ああ、早く捕まってほしい。
僕の手で八つ裂きにできたなら、どんなにか。
君は望まないだろうけれど。
「ふふ、僕の世界に君が入り込み過ぎたな。
接近を許したのは僕のミスだった」
あれほどに人を惹き付ける魅力を持った君に、好意を寄せられ、また僕も好意を抱くとは思いもよらなかった。
君がみる世界はいつもキラキラしていて、その世界を僕も見てみたいと願ったから、だから、こうなったんだろう。
近付いちゃいけない存在に近付いた、その報いだろう。
もう君と会うことはないだろう。
だから安心して、君は君のみる世界を増やして広くしていって欲しい。
「僕のことなど、忘れても構わないから。」
どうか、君の成長が健やかであるように、それだけを願う。
眩しすぎて、一度も名前を呼んでやれなくて、ごめん。|
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