第6話

まわりがバタバタしてる。

ボクはそのおとでめをひらく。

かおがみえたのはおかあさんのかおで、よかっためがさめて、といわれてだきしめられて、ああ、びょういんだとわかった。

ボクがおさないころににゅういんしてたびょういんは、かべにかわいいどうわのいらすとがあったからすぐにわかる。

「あのおとこになにされたかいえる?」そういわれてこわいかおしたおかあさんがおとうさんとはなしあってるのがみえた。

あのおとこって、りっくん?

そうだ、りっくんはどこ?

たすけてくれたりっくんをさがしてからだをおこしてみると、おこられた。

「りっくんは、たすけてくれんだよ。なにもされてないよ」

「あなたはいしきをうしなってたんでしょう、そのあいだにはなんでもできるわ、あのおとこ、けがらわしい! !うちのこをたぶらかしていやらしいことをしたにちがいないわ! !」

おかあさんがさけぶのをおとうさんがかたをだきしめた。

ボクのこえなんて、きいてくれてない。

りっくんはそんなひとじゃない、なにもされてないから、ひどいこといわないで。

なにをいっても、きいてくれない。

とびらがひらいて、おまわりさんがきて、ボクにはなしかけてくる。

「めがさめてよかったよ、りくやまただおはつかまったからあんしんしてくれ。

なにされたか……いえるかな?つらかったらいわないでいいから」

りくやまただお。

それはりっくんのなまえ。

きいたことある。

つかまったって、なにが?

りっくんわるいことしてないよ?

ボクがこまってなにもいえないでいると、おまわりさんはやさしく、ゆっくりとてをにぎってくれた。

「おまわりさん、りっくん、わるいことしてないよ、たすけてくれたんだよ」

「そうおしえこまれたんだね? こわかっただろうに。」

「ちがう、ほんとにりっくんはたすけてくれたの! !たおれたボクをみて、かけよってきてくれたの! !

おまわりさん、しんじて。りっくんはいいひとなんだよ……っ! !」

なにかいいそうなおかあさんをおとうさんはつれていってくれて、おまわりさんだけにしてくれた。

「ごほん、その、きみがいうりっくん……りくやまただおだがね、せんじつじしゅしてきたのだよ。さいばーはんざい、えーと、ぱそこんをつかってはんざいをおかしていたんだよ。

そして、きみのことをびょういんにつれていってくれっていってたらしいな」

さいばーはんざい。

ボクにはそれがわからない。

でも、はんざいとつくから、それはおまわりさんがつかまえるべきで。

りっくんとはんざいが、ボクのなかでむすびつかなかった。

だれがほんとのこといってるの?

ねえ、りっくん。

どこにいるの?

もうあえないの?

めからなみだがながれてきて、ボクはないてしまった。

おまわりさんが、そっと、でもちからづよくだきしめてくれた。

ねえ、りっくんはどこ?

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