〜第三話〜「戦争」
支給された武器で、戦う生徒たち。
そして、力を持つ者もその同士で戦い出す。
「久しぶりだな!湊人!」
人混みの中からある男が突っ込んでくる。
「あっ!お前は!」
バシンッ
流れに乗せて振るってきた拳を受け止める湊人。
「なあ、あんた名前何て言うんだ?あん時聞いてなかったからな。」
「状況が状況だろうが、今更何の得にもならんだろ?」
「別にいいじゃないか。」
「あっそ、俺は『
「オッケイ、神矢。」
拳を弾き返し、支給された箱の中からある物を取り出す湊人。
「あの時の俺とは一味違うからな!!」
もう一度突っ込む神矢。
「なら、変わらないな。」
そう言い、湊人は右拳を神矢に当てる。
それも、物凄い速さで。
それを防御もせず受ける神矢は、バランスを崩し、次に左、そして右、左、右、左と連続で拳を神矢に当て続ける。
「はぁぁぁぁぁっ!」
「っ!だっ!がっ!」
湊人は一度腕を引き、
「わかったか?お前が強くなったって、俺だって同じ様に強くなってんだよ!」
溜めたその拳を、神矢にぶつける。
「一部集結 『
物語の英雄の身体能力を、右腕一部に集結させ、攻撃した。
「だぁぁぁっ!」
神矢と共に、後ろの人混みを巻き込み、真ん中に道を開けた。
「力を持つ者を優先に、先に進め!」
指示を出す湊人。
それと共に力を持った集団が前に走り、周りを片付けながら進む。
取り残した敵を力を持たない者が銃を使い、援護する。
「ちょいちょいちょい!通さないよ!」
未月が目の前に現れ、銃を構える。
「吹き飛べ!爆発銃!連続ショット!」
ボボボボボボンッ
と銃口から小さな爆発が飛び出し、地面に着くと同時に爆発し、湊人のチームの生徒たちをアウトにしていく。
「やめろっ!」
湊人はその爆発を避けながら、未月に近づき、銃を叩き落とす。
「わっ!びっくり、私とやるっての?」
「ああ、そりゃもちろん。リーダー対決と行こうじゃないか。」
湊人VS未月のリーダー対決が始まる。
「取り敢えず、撃つ。」
湊人は支給品のハンドピストルで未月を撃とうとする。
「今更、そんな攻撃が届くわけないでしょ。そもそも撃てないわよ。」
その通り、微動だにしない湊人だが、突然。
バンッ
「っ!」
未月に放たれた銃弾。
かろうじて避けた未月だが、疑問を感じた。
「撃った、撃てないはずなのに…。」
「どうした?未月。撃てないはずなのに撃てたことがおかしいのか?」
湊人は自慢気に言う。
「未月の力、少し分かった気がする。
逆の力、行動などを逆にする。シンプルかつ強い力。」
「それで、撃たない行動の逆、撃つ行動に切り替えられたわけね。」
「そうだ。」
カチャ
もう一度構える湊人。
実際は構える気など無い。
未月の力によって、構えている。
「なら、ランダムに切り替えする。簡単に対策できる。」
バンッ
湊人は撃った。
未月は当然避ける。
ギリギリだが。
「即座に行動を変えればいい、こっちの方が対策は簡単だ。」
湊人は未月の方へ走り出し、拳を振るう。
ハンドカバーを付けており、それに5回当たればアウトになる、近距離武器。
リーダーと力を持たない者の極一部に支給されている。
「はぁぁぁぁっ!」
「っ!」
未月は同じ拳で受け止める。
ピピッ
互いにヒット音が鳴る。
「守りじゃないのか。」
「相打ちならサドンデス、決着は長引かせられるからね。」
「そうこなくっちゃ。」
バッ
2人は互いに距離を取り、
直ぐに走り始める湊人。
それと共に、両腕を未月に伸ばし、交互に拳を振るい始める。
「
それに合わせて体を左右に動かし、避ける未月。
速度は早いため、女の未月は避けるのがやっとだ。
だが、力を使って、少しは楽をしている。
「そんなもん?力を見破った所で、当たってすら無い。」
「ああ、今はなっ!」
トントントンッ
未月は左足に違和感を感じる。
「?」
「ニヤッ」
湊人は笑う。
左足の違和感。
それは、湊人の右足。
「触れた、それだけ、けど……。」
ピピッ
数字が3カウント減る。
「専用のハンドカバーに当たらない限り、このシステム音がするのはおかしい。一体、何をしたの?」
「簡単な話さ。この、ハンドカバーの足、
シューズカバーを付ければ同じことだ。」
シューズカバー、稀にリーダーと力を持たない者に支給されるハンドカバーと同じ効果を持つ武器。
確率は、空を飛ぶ機体、この世界では
その、空体機が墜落するのと同じ確率であり、この世界での空体機墜落の確率は
「0.4%」
そのため、1回目の全体訓練の時は、入っていなかった。
「そんな、物が……。」
「見っけた時はラッキーだと思ったよ。残りは1回だ。」
「そう、でも、私の力は破れない。」
ゴォォッ
力を利用したスピードを出す未月。
「うおっ!」
ピピッピピッ
2回湊人は当たってしまった。
「ありゃりゃ、3回当てたつもりなのに。」
「手加減なしか。やるな、未月のやろう。」
再び動き出そうとする湊人。
だが、
「足技混ぜて、やってやら!」
右足で攻撃する湊人。
しかし、攻撃したの左足であり、
その左足が蹴った物は、未月が外した右手のハンドカバー。
「未月が、いねぇ!」
当たりを見回すも、未月が見当たらず、
「そろそろ、私が戦いにおいて不公平な事をしない事を、覚えて欲しいわね。」
未月は真上にいた。
「戦闘は、敵味方何も知らない。公平な事ができる唯一の裏なし行動何だから。」
トトンッ
湊人は真上からゆっくりと落ちてくる未月に左手で2回触れられ、5回のヒットを受ける。
「勝負あり。後ちょっとだったね。」
「あ〜〜!まじか〜!くそぉ〜!」
頭を抱えながら上に向かって叫ぶ湊人。
「リーダー湊人がリーダー未月と激戦の上、後一歩、残りの一撃の所で敗北!よって、
未月のチームが勝利!」
ゴォォンッ
終了の鐘がなり、全員が戦闘をやめた。
着替えをし、それぞれが集まって話し合いを始めた。
湊人チーム
「悪い、後一歩の所で負けちまった。」
「まあ、仕方ねぇよ。」
「凄いじゃないですか。後一歩まで追い詰められるなんて!」
「大したもんだな。」
未月チーム
「ギリギリだったけど、勝てたわ。」
「危なかったな、見破られかけるなんてな。」
「勝利おめでとうございます!」
「まあ、勝ったんだし、結果を受け入れて、喜ぼうぜ。」
お互いのチームは、長い時間話し合った。
そして、その夜。
疲れ切った湊人は家に帰って直ぐに眠ってしまった。
眠る湊人の夢の中。
そこは町だ。
長い建物に囲まれて、全てがボロボロ。
そして、湊人の目の前に、ある女が現れる。
「やっと見つけた。私の探していた子。」
「あなたは?」
「終わらない物語は君のせいなんだよ。」
「はあ?」
「君が誕生したから。世界が君を作ったから。君は死ぬべきなんだ。」
「何を言って、てか、あんたは誰って言ってんだよ!」
「わかるわよ。この先で、精々頑張りなさい。」
女が離れる。
3人の男女のグループの方へ向かう。
「なあ!なんなんだよ!俺は一体、何者なんだよ!何故教えてくれない!」
「神様が言うんだ。本人には話すなと。」
「神様?」
「話せば、世界が変わる。我々の使命は、それを止め、我らの望む世界を作ること。この世界が起こす理不尽をこの世から駆逐することだ。」
4人は風と共に消えていった。
「どういうことだ……?」
その瞬間。
「英雄ってのは、こんな物か。」
その発言と共に、湊人は目が覚める。
「違う!!」
布団からガバっと起き、窓から日差しが入る。
「夢……か……。てか、今のが夢……?」
起き上がり、学場へ行く準備をする湊人。
「さあ、行くか。今日が、捜査日だ。」
扉を開け、学場へ向かった。
門をくぐると、湊人が最後なのか門が閉まる。
その門に鍵が掛かり、外部の侵入を防ぐ。
「今日は予定通り全体国外捜査をする。宣戦布告は湊人くんが前に国へ行った時とし、その国へ奇襲を仕掛ける。」
「あの…。」
ある生徒が学場長に質問する。
「その国って、名前とかないんですか?」
「ああ、国って言うのもわかりにくいな。教えよう、その国の名は『アンデラス』と呼ぶ。」
「ありがとうございます。」
生徒は後ろに下がる。
「そして、これはただの奇襲ではない。我々が受けたアンデラスからの攻撃を返す。あの奇襲をやり返すためでもある!」
「「おぉぉぉぉぉっ!」」
生徒らが叫ぶ。
「そこで、一塊になって行けば、簡単に返り討ちに合うだけだ。そのため、4つの部隊を作り、各部隊に1人づつ隊長を配置することにした。」
そう言いながら、ポケットからある資料を取り出し、読み始めた。
「部隊1、湊人班」
湊人班
隊長:湊人 奇襲員:20名 援護員:10名
力保持者:9名 守備員:10名 計:50名
「部隊2、未月班」
未月班
隊長:未月 奇襲員:20名 援護員:9名
力保持者:15名 守備員:5名 計:50名
「部隊3、炎花班」
炎花班
隊長:炎花 奇襲員:30名 援護員:10名
力保持者:4名 守備員:5名 計:50名
「部隊4、神矢班」
神矢班
隊長:神矢 奇襲員:20名 援護員:10名
力保持者:4名 守備員:15名 計:50名
「この4部隊が今回の奇襲に重要不可欠。よって、隊長は命を落してでも守り抜け。」
学場長が制作した奇襲作戦の4部隊。
アンデラス国への奇襲戦争が今始まる。
「湊人班は後方から回り込み襲撃、未月班は前方から挟む。その左右から炎花と神矢の班が挟む。これで逃げ場は無くなる。」
学場長が右腕を上げ、
「襲撃開始だ!」
「了解!!」
4班はアンデラス国へ向かう。
水上機に乗り込み、前方、後方、左右に分かれる。
[通信、これより、全方向から奇襲を開始する。]
それぞれの班は、アンデラス国へ乗り込んだ。
巨大な門を破壊し、国に入った。
「撃てぇぇぇ!」
それぞれの奇襲員が銃を撃つ。
「なんだ!いきなり奇襲だ!逃げろ!」
民間人が大慌てで逃げ出す。
その頃、中央施設では…
「ボスッ!大変です。」
「なんだ?手短に話せ。この騒ぎを見れば予想はできるが…。」
「前回、湊人回収の襲撃をした国が、やり返しの奇襲を仕掛けてきました。」
「だろうな、湊人はいるのか?」
「現在、前方から女が歩いて来る事のみ確認済みです。」
「早急に兵を回せ!湊人を発見次第、俺に報告しろ!」
「了解!」
部下は下がる。
「悪元、フレイ、キサキ、出動だ。」
「はい、状況は理解できてます。ちょうど今出動準備中です。」
「湊人は生け捕りだ、それ以外は全員殺せ。わかったか。」
「了解しました。」
3人は外へ出る。
それぞれが前方、左右に分かれ、走り出す。
前方にキサキ、左に悪元、右にフレイ。
一方で、生徒達は銃で兵を圧倒する。
「訓練が役に立ったな!」
「被害0で行くぞ!」
気合を入れ、前へと突き進む生徒等。
そこへ、
「ブラッドバレット」
キサキが爪辺りの位置から、血を飛ばす。
十発放たれ、前に出ていた生徒ら十人が、
死亡した。
「真正面から突っ込んでくるなんて。」
前方、その相手は未月。
「あなたこそ、ノコノコと出てきて、何しに来たのよ。」
「あんたらの奇襲を止めるためだよ!」
バサッ
黒い翼を広げ、突っ込んでくる。
「何も知らない貴方はもう、終わっている。」
その発言と同時に、
ピタッ
と、キサキの動きが止まる。
「あ、あれ?動けない……。」
「あなた達、私達の下調べ、してないでしょ。」
「それがどうしたって…。」
キサキは気付いた。
「お前、力を使ったな!」
「正解。もう遅いけど。」
未月はしれっと力を解除。
「解除したな!チャンスだ!」
キサキが未月に近づき、血を集め巨大化させた爪で攻撃する。
「ブラッドネイル!ギガサイズ!」
ピタッ
攻撃が止まった。
「そんな私が死ぬような攻撃なんて、認められるわけ無いでしょ。」
「くっそ!動かない。」
キサキは考える。
「私が攻撃しようとすると、止められる。なら、私の行動を逆にしているようにしか思えない。なら、次は……。」
力が解除された隙を付き、
「血液凝固、ブラッドソード」
血を固め、剣を作る。
「ブラッドリング!」
回転しながら未月に攻撃。
ではなく、攻撃しようと思っていない。
だが、未月の力が発動。
「おりゃぁぁぁっ!」
ザンッ
「っ!」
未月は体に斜めの切り傷が付けられる。
傷は深く付き、瀕死の重傷な程だ。
「勝った、私の血は凝固する事で物凄い強度と切れ味を持つ武器になる。」
「がばっ…。」
「おしまいね。」
血を吐き、床に膝を付く未月。
だが、
「その脳みそに、教えて上げたいわね。」
「あ?」
「貴方が、いつ私に勝ったと?」
顔を上げ、キサキを見ながら笑う未月。
「何よ!今のあんたに何ができ……。」
キサキば驚いた。
確かに切ったはずの未月の体。
それは深く、出血は酷く、即死程の傷だった。
だが、未月に傷は無く、しかも、自身目の前に突っ立っている。
「貴方に、特別に教えて上げる。私の力を。」
「何なんだ、お前の力は!」
「私は、相手の行動や、自身の体の変化を否定する力。任意で切り替え可能よ。
名は、『
キサキは全てを理解した。
「今までの私の行動は、全てあんたが、私の攻撃や行動を否定したから止まった。そして、今あんたが傷無く立っているって事は、負傷を否定したのか、出血を否定したかの何かで立っている、そういう事……。」
「少し、違うね。」
未月はそう言いながら、
キサキのブラッドソードを取る。
「何を…。」
ザシュッ
未月は自身の首を切る。
「はあっ!?」
キサキは驚く。
首だけになった未月が転がって来るが、
「否定しているのは出血でも負傷でもない。」
「なっ!首だけなのに、喋った…。」
未月の体が首からゆっくりと再生する。
「私は、あの一撃を食らった瞬間、息絶える前に死を否定したの。」
「そんな、そんなの無敵だ……。」
ゴォォォッ!
未月がブラッドソードでキサキを物凄い速さで攻撃する。
ザンッ
「だあぁぁっ!」
キサキは左腕を切り落とされた。
「どうする?まだやる?」
質問をしながら、ブラッドソードを真っ二つに折る。
「やるわけねぇよ、あんたと戦ったら死ぬだろうからな。種がわかった所で、勝てる気がしない。今日の所は下がってやる。いつかお前を殺してやる。」
「望む所よ。」
キサキば中央へ下がって行く。
「みんな!私達の班はこれぐらいでいいわ。海側へ下がるわよ。」
「「了解!」」
未月班、死者:奇襲員10名。
その他生存。
水上機への帰還に成功。
残り、湊人班、炎花班、神矢班。
同時刻、炎花班。
悪元と長い戦いが繰り広げられていた。
「はぁぁぁっ!」
「でやぁぁぁ!」
2人は互いに殴り合いで戦っていた。
「貴様は力を持っていないのか?」
「さあ、どうでしょう。あなたこそ、力を使っているくせに普通の私と対等な事を心配したほうがいいんじゃないの。」
「黙れ!」
ガッ
悪元は炎花を殴るが、簡単に止められる。
だが、それも同じ。
炎花の攻撃は悪元も受け止める。
「あなたは自分に力を使っていると、他人には使えないのね。」
「別に気にしてないわよ。少しのデメリットくらい飲み込まないとね。」
悪元は自身を接触腐で腐らせたが、
接触腐の力を持つ者は、自身が腐らない代わりに、身体能力の向上と驚異的な再生力が手に入る。
「そろそろ手の内を明かしたら!」
悪元は炎花を突き飛ばす。
「おっとっと、そうね。私も疲れてきたし、そろそろ使いましょうかね。」
突き飛ばされ、後ろに下がった炎花はポケットから卵型の物を取り出す。
「何?それ。」
「今わかるわよ。」
炎花は3つの卵型の物を投げる。
それが地面に落ち、光を放った。
その瞬間。
ドカンッ
悪元の目の前で爆発した。
「がぁぁぁっ!何よ!これっ!」
「何って、爆弾よ。私爆弾大好きだから。」
その後、炎花は反対側のポケットから赤い筒状の物を取り出し、投げる。
「それは安全だよ〜。」
「嘘ね、でもいいわ。私の再生力なら、あの爆発程度、かすり傷と同じ物よ。」
そう言い放った瞬間に、爆発と共に炎が広がる。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!」
赤い筒状の物は、火炎爆弾だった。
悪元は、傷付いた部分が焼かれ、再生が極端に遅くなる。
「よくも…やってくれたわね……。」
「あ、言い忘れたけど、これが私の力だから、減るとかないからね。」
ニコッと、しながら火炎爆弾をもう一度投げる。
その数は大量だ。
「も、もうやめっ!」
悪元を巻き込みながら辺りは大炎上。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」
悪元の叫び声が辺りに響く。
炎花の力は『爆弾の力』
触れた爆弾を好き放題使える力。
予め触れなければならないが、炎花は爆弾が大好きなので、必ず1つは爆弾を持ち歩いている。
「覚えてろよ、爆弾女!」
悪元は中央へ燃えながら戻っていく。
「いやった〜!爆発的に最っ高〜の勝利!」
「あの、幹部らしき人物を返り討ちにしました、撤退しますか?」
「うん、言われたとおりにしないとね。」
炎花班は死亡者0人で水上機に帰還成功。
そして、悪元と炎花の戦闘開始と同時に始まっていたフレイと神矢の戦いも、長い間続いていた。
「破壊」
バキッ
フレイに触れられた生徒らは、触れられた場所から体が破壊されていく。
「くそっ!仲間が殺られていく!」
「下がれ、神矢隊長の所まで引くぞ!」
生徒らは危険を感じ、神矢のいる場所まで下がる。
「神矢隊長!やばいです。」
「なんだ?」
「奇襲員が、15名死亡、援護員と守備員が全滅しました。」
「残りは俺と奇襲員5名と力保持者4名か。」
「はい、絶望的状況です。」
神矢は歩き出し、
「俺以外全員後ろに下げろ。俺が行く。」
フレイのいる場所に向かう。
そして、
「お?お前がこいつらの頭か?湊人は何処だ?」
「お前に、教える義理はねぇよ!」
神矢は力を使い、身体能力を上げる。
ドンッ
地面を壊すほどのパワーで走り出し、
「ボディアップ・
腕の筋肉量を力で上げ、拳で攻撃する。
「甘い。」
フッ
軽々と回避し、神矢の後ろにいた生徒らを、全員殺す。
「弱いな。お前の部下共は。」
「黙れ!」
神矢はもう一度フレイに向かって攻撃する。
「アップフィスト・
連続で拳の攻撃を出したが、
「破壊」
バキャッ
神矢の両腕が破壊された。
「がぁぁぁっ!」
「身体能力を上げる力は惜しいが、仕方がない、殺そう。」
フレイは神矢の心臓部分に触れ、
「破壊・
神矢は心臓を破壊され、死亡。
神矢班、全滅。
この悲報は、全員に伝達された。
そして、後方から奇襲を仕掛けた湊人。
「神矢の班が、全滅だと…。」
湊人は悲しみながら、
「神矢の分も追加で仕返しだ!」
「「おおおおおおおおっ!」」
生徒らは大声を上げ、動き出す。
そして、奴は来た。
「流石にここを通す訳には行かねぇよ。」
突然、湊人の目の前に飛んできた男。
聞き覚えのある声だった。
「お前、何で、嘘だろ…?」
「あの時以来だな!」
拳を振るって攻撃をしてきた。
「っ!」
かろうじて受け止める。
「さあ、再戦と行こうぜ!」
その男は、あの時。
湊人が初めて戦闘し、初めて殺した敵、
会うことは無いと思っていた。
男は『誤物』だった。
「お前は、俺が地下で殺したはず!」
「完全に息絶える前に、ある2人の女が俺を拾って、応急措置をしたんだ。それで俺は、もう一度戦うことができるようになった。」
「戦闘厨かよ。」
「そうかもな。昔っから戦うのは好きだしな!」
ガンッ
2人の拳がぶつかり合う。
「手加減は…」
「無しだぜ。」
ガガガがガガガッ
2人の殴り合いが始まり、そこから風が巻き起こる。
「なんだ、あの2人、すげぇ戦いだ…。」
周りの生徒らは感激する。
「すまねぇが、俺はあの時より強くなったぞ!」
「何を、変わらねぇじゃねぇ……!」
誤物は遅かった。
湊人は強烈な一撃を溜め込んでいた。
「部分蓄積!
ザシュッ
誤物は強烈な一撃を受け、膝を付く。
「がはっ、ハァハァ、本当だな、あの時よりも、パワーも速さも上がってやがる。」
「だろ。まだ、やるか?」
「今回は俺の負けだ、またやろうぜ。」
「ああ、次は何処かの小島でやろうぜ。」
「そうだな。」
誤物は中央へ下がった。
「よし、水上機に帰還だ。」
生徒らは水上機へ帰還する。
「さあ、俺も……。」
湊人も戻ろうとしたが、後ろから物凄い気配を感じる。
そして、この気配はすぐに何かわかった。
「お前からお出迎えなんてな。」
振り向くと、
「流石俺、自分の気配は一瞬か。」
「今日こそ殺してやる!そして、俺はお前みてぇにならねぇことを証明してやる!」
「やってみろ!」
〜第三話〜「戦争」 終
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