ヒグラシが山の木々から日暮れを告げる頃

僕は靴紐を結び、家を出る。

日中の黒髪を焼く日差しも、穏やかさを取り戻し

蒸し暑い空気が風にさらわれてゆく。

夕食までの小一時間、いつも僕はちっぽけな冒険の旅に出る。

今日の夕食は豪華なものになるだろう。

そして僕の旅は今日で終わる。

僕は明日、大人になるのだ

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