君の幸せを願って

 綺麗な星屑が夜空を輝かせていた。

 君は言った。

「星は夜の闇のお陰で輝けるんだよ。だから闇が必要無いわけがないでしょ?」

 今日は新月で、いつもより辺りは暗くてその分星が綺麗な夜だった。

 君はいつも輝きを放ち、それでいて美しい。本当に星の様な人だった。そんな君に私も惚れたのだ。

 君は頬を星屑で濡らし、天を仰いだ。

「私はあなたを選んだのは間違いじゃなかったって思ってる。」

 私達は付き合った。君が私の何が良くてそうなったのか理解できなかったが、運命の悪戯か、君と付き合うことができた。だが、周りはそれを良しとはしなかった。

「あなたがいれば...それだけで十分だったのに...」

 男達は君に私より自分の方が良いとアピールした。しかしいつも君は私を選んだ。そして男達は私を憎んだ。

「私はあなたの綺麗な輝きを知ってる。あなたは自分で言うような闇じゃない。とても澄んだ、夜の闇なの!」

 自分のせいで私が傷付くと考えた君は、私に身を削りながらも尽くすようになった。だが、私にはそれが耐えられなかった。

 疲弊しきった君じゃなく、輝く君でいて欲しかったから。

「あなたがいなくなったら...輝けるわけないじゃん...」

 真夜中に手紙を残して私は君の元を去った。そして、君と別れた私に容赦ない暴力が降りかかった。路地裏で動けなくなった私に夜の寒さは良くなかった。

「なんで死んじゃうの...」

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