嘆き

 私は人に優しく、人を思いやって生きていこうと誓った。だけど、いつの間にかその善意は歪み、狂い、悪へと姿を変えていた。

 私は人に尽くすことが楽しくて生きている。人のことを思い、人のことを考え、「これをすれば楽しんでもらえるのではないか?」と思ったものを実行し、それで楽しんでいる人々を見るのが私の生き甲斐だ。

 だけども、私には一つ悪い性癖がある。完璧癖、これのせいでこだわった物が自分の思い描いた物ではないと放棄したり、不安定な時なら激情に流され人を傷つけるようになっていた。

「何事も思い通りになるわけがない?」ご名答。

 私だって頭ではわかっている。だがそうなった時、私は自分を止めることができない。止めれるのなら誰も傷つけてなんていないのだから。

 私はこんな私が大っ嫌いです。自分が嫌いだから他の人のために生きようとしても私は結局傷つけてしまった。ただ、みんなの人生は私が生きてきた数倍も谷がありますから、「こんな理由で?」と思うかも知れません。でも、私はもう辛いのです。どんな辛い思いをしても私以上の人で溢れてる世の中。こんな自分。全てが私がこうすることを望んでいるかのように思えてきます。なので決めたのです。

 両親へ、私生まれて来なきゃよかったって言って二人を悲しませましたよね?あの日はごめんなさい。そして、産んで、愛してくれてありがとう。でも……歪んだ人になっちゃってごめんね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る