第11話の裏話とこだわり

 この下は【スキル使用可】リアル脱出ゲーム11話を読んでからお読みください。


 これは、【スキル使用可】リアル脱出ゲームへの作者のこだわりについて書いたものです。

 伏線の細かい箇所については、ここで全ては書きません。




 では、11話です。


 ―――船上スキル集め 1日目 11時―――


 実は構想当初、普通に朝から書いていこうかなと思っていました。しかし、こうすることで謎を解いていく感覚を楽しめるんじゃないかと思い、構想を変えました。





 ――― 今まで一度も使われていなかった、船内アナウンスが響き渡った。


「船内スキル集め開始まであと1時間となりました。11時30分よりルール説明およびスキルE【ステータスウィンドウ】についての説明を行います。ご自身の判断で3階会場までお集まりください」―――



 ご自身の判断でと言われたら、皆さんならどうするでしょうか。基本的にはプレイヤーの判断に委ねられていると考えられます。


 しかし、実際はどうでしょうか。


 前回のチュートリアル特典が話を聞いた人のみもらえる特典だと知ったなら、強制イベントだと思ってしまうでしょう。




 また、船内放送を使って周知することは前々から決めていました。


 豪華客船では、客室内にも放送を流すことが可能です。

 だからこそ、どこにいても何をしていても放送を聞き逃す心配がなくなるというわけです。




 ――― 博人は自分の部屋のベッドで目を覚ました。


「時間か」―――


 この描写で、博人が寝ていたことが分かります。


 おかしいですよね。


 あの時、博人は自室を出る描写だったはずです。


 なのに、そこから1話でベッドで寝ています。


 この描写を基に、何かあったんだなと思ってくれたらいいなと思い、書いた一文です。




 ――― 部屋を出ると、ほかの部屋からもプレイヤーの面々が姿を見せた。


 その中には、岡部さんの姿もあった。

 今が見定め時か。――――




 この文章で博人の性格の一端が垣間見えるといいなと思います。


 ここで私が性格をひけらかすのはやめておきますね。




 ―――「あ、岡部さん、お元気ですか?」


 簡単な挨拶のあと、岡部を観察する。

 スキル【観察眼(小)】→岡部亮 顔色:正常 ―――



 ここは、もしかしたら最新話まで見ている人なら、何かに気が付くかもしれません。これ以上はまだ。





 ――― 岡部さんは、友達であろう人に声をかけた後、博人に笑顔で応じた。


「佐伯さん、昨日ぶりですね。私は元気ですよ。運よく、洗面所の水を飲む前に、バケットのペットボトルに気が付くことができたので、おなかを壊さずに済みました。」

 スキル【観察眼(小)】→岡部亮 睡眠:良好―――



 まあ、岡部さんに友達がいるのはおいておいて、このセリフ。

 ここから、全てがつながるのではないでしょうか。


 まず、昨日ぶりというセリフから、空白の今日会っていないということ。


 そして、水道の水を飲むとおなかを壊すということです。



 このセリフを裏付けるのが観察眼です。


 おなかの調子で見るのではなく、睡眠で見たのは、今元気ならおなかの調子でいることができないと踏んだからです。


 こんなところからも、駆け引きが垣間見えますね。






 ―――「私も岡部さんと同じです。運がよかったですね。えっとそちらの方は・・?」


 博人が尋ねると、がたいのいい青年が話に加わった。


「はじめまして。俺は千住 廉だ。気軽にれんって呼んでくれ。聞き耳を立てるつもりはなかったんだが、待っている間 暇で話を聞いちまった。ごめんな」―――



 まだ現時点では書いていないですが、ここは絶対に気が付かれない内容が含まれています。


 ここは想像できないと思いますので、伏線と言えるかも微妙です(笑)






 ――― 博人が砕けた言葉遣いでそう応じると、廉は満足そうに岡部さんを小突いた。



「おい、亮。堅い人だって言ってたが、気さくないいやつじゃないか。心配して損したぜ」―――


 この文章、これも類推の手がかりになると思います。


 岡部さんが、博人のことをどう思っていたのか、それを知るための手がかりになるのではないでしょうか。

 そして、亮の性格も。






 ――― そういった後、廉はトイレに向かった。

 もしかしたら、僕たちのことを気遣ってだったのかもしれない。―――

 このシーンも同じですね。しかし、ここで変わるのは、亮の言動を見た博人の気持ちです。これ以上は今伝えることはできません。続報をお待ち下さい(笑)



 ――― 廉がトイレにいったのを待って、岡部さんが口を開く。


「ぼくのことも廉と同じように呼び捨てにしてください。佐伯さんのことも博人と呼びますので」―――



 もうここも――もういいですよね。






 ―――そう言った後、一歩近づいて小さな声で話をし始めた。


「博人は自室にあった紙を解いている。と私は考えています。そのうえで、僕と契約を結びませんか」


 そう言って、他の人には見えない角度で小さな紙を博人のポケットに入れた。―――


 これです。


 これがこれからの彼らの関係に大きな変化を与えるものです。


 このセリフ……いえ、なんでもありません。


 よーくここまでの話を思い出してください。

 そうすればきっと、何かに気が付くのではないでしょうか。


 まあ、この話も本編のどこかで話すことになると思いますので、お楽しみに!






 ―――「トイレで確認をして、もし条件を吞んでいただけるならサインをしてください」


 と耳元で言い、博人をトイレに促した。


 博人は、抜かりなく作業を終えた後、トイレに向かった。

 トイレに入ると手洗い場に亮の姿があった。―――



 トイレで確認させることで、他の人に見えないところで確認させました。


 まあ、他にも理由はあったのですが。





 ―――

『契約書

 双方は1日1回、相手の質問に素直に答えなくてはならない。

 同じ質問をしてはならない。

               署名      ・ 岡部 亮  』

 質問か・・・。

 要は情報交換が正しく行われるための契約書だろう。―――



 情報交換のための契約書ですが、契約書を見たことがある人なら、この契約書のずさんさに気が付くのではないでしょうか。


 私より詳しい方がいると思いますので、もし突っ込まれたら頑張って逃げるしかありませんね(笑)





 ――― プレイヤーの特性上、不確かな情報が飛び交うことは十分に考えられる。

 それを契約によって縛り、信頼を得ていくのはある意味正攻法だ。

 あとは、これがスキルによるものかどうかということだが―――。


 スキル【観察眼(小)】→観察眼のレベルが低く、不明


 ―――やはり、見ることができない。―――



 ここから何が分かるのか。それは、また後日ということで。





 ――― そこまで考えた後、持っていた鉛筆で署名欄に『佐伯 博人』と署名をした。


 その途端、紙が消えてなくなり、緑のウィンドウが現れた。



〔スキル【契約(小)】の効果により、岡部亮との契約が結ばれました。破られた場合はペナルティが発生します。〕


 スキルだったか。―――



 スキルであるかどうかも分からない局面。

 というより、スキルにどんなものがあるかも分からない局面ですから、紙が消えてしまうことには当然驚きます。






 今回は語れないところがたくさんありました。

 また、今度、本編で書く時が来ると思います。それまで楽しみに待っていただければと思います。




 よし、今回はここまで!!

 それでは!

 次は12話を読んでからお会いしましょう!!



 ※ご覧いただきありがとうございます。

 ちょっとでもいいなと思ったら、☆や♡をいただけると、とってもうれしいです!

 ぜひ、書き方のアドバイスもください。待ってます!

 https://kakuyomu.jp/works/16817330667075076884

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