第9話 ボロボロの顔は
涙で顔がボロボロになって、なんとか動き出したのはだいたい1時間後。顔を洗って、明日の仕度をして、お風呂に入って。
情緒不安定。ひどいときはPTSD、パニック障害とも言われるが、数ヶ月もあれば自分のルーティンは見つけ出せる。コツはやらなきゃと思わないことだ。いつも通り食事が終わった。次は何をするか。それだけで頭をいっぱいにする。もちろん璃子のことが頭の片隅に残り続けるけど、それでいい。
多分、こんな姿で璃子と会ったら心配させてしまう。それは嫌だ。
幸いにも初日は入学式だけ。自己紹介なんかのレクリエーションがあっても半日で終わるだろう。少し校内を歩こうか。花谷さんかひとみ先輩を探そうか。
その前にクラスでの自己紹介でも考えておかなくちゃ。
保健室とかの場所も把握しておきたいな。
そうやってやることひをリストアップして先の発言については考えない。
翌週には入学式・始業式、それから簡単な自己紹介などのレクリエーションでその日は終わると通達があった。叔母さんから買い物を頼まれてるので、身軽な外出着でスーパーなどを回っていく。本屋では小説と料理の本を買った。有名なチェーン展開している服屋はさらっと見て回って、スーパーまでたどり着く。買うものは人参に玉ねぎ、じゃがいも、豚肉。夕飯はカレーとかだろうか。
「あ、高田さん」
「花谷さん‥‥‥」
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