第4話 この寮の造りと幼馴染みの様子
改めてこの寮の構造を振り返ろう。
まず1階あたりに4部屋。それが2階建て。それだけである。
101号室は寮監室で、私がいるのは102号室だ。ひとみ先輩は103号室、と。104号室が空室。1階は女子生徒の部屋となっている。
対して2階が男子生徒で、幼馴染は2階の203号室と聞いている。つまり、201号室と202号室には誰かが住んでいることになる。
そんなに男子女子の区分は厳格ではない。出来るだけ階を分けよう、程度にしていたら今年はそうなっただけのこと。つまりこれから行くどちらかの部屋に女子生徒の先輩がいてもおかしくはないわけだ。
ひとみ先輩の言っていた気をつける男子とはどちらを示すのだろうか・・・などと考えつつ階段を登る。
ああ、自室にはクローゼットは備え付け。あと簡単に煮炊きできる程度の小さなキッチンがある。トイレお風呂も別。割りと学生寮としてはいい物件である。外観も綺麗だったし。
階段に近い方から201号室で奥は204号室。そして大きめのテラスがある。各部屋ベランダのようなものはあるが、テラスと呼べるほど広いのはここだけだ。昔は205号室があったらしいが、リフォームついでに壁を取っ払い今の形にしたとのこと。ついでに言うと、1階にはテラスらしいものはない。寮監室が普通の部屋の倍くらいあるのは部屋数の問題だろう。
さて、気をつけなきゃいけない先輩対策としては誰かを同行させるのが早いか。203号室に行って幼馴染みの様子を見て挨拶に連れてこよう。
こんこん
「ねぇ、幸だけど。荷物の整理終わった?終わってるなら先輩達の挨拶に・・・・」
ここで叫ばなかった私を誰か褒めてほしい。
見知った顔があるかと思って部屋を開けると、大柄な男子と背の高くて割りと整った顔立ちの男子、それから小柄な男子と幼馴染みが顔を突き合わせて座り込んでいたのだから。
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