第2話 進路希望

「先生」

「なに?」

「大学生の彼氏と専門生の彼氏と、高卒社会人の彼氏ならどれがいい?」

「少なくとも高校生には興味ないわね」

「じゃあ進路希望はまた今度出します」

「今出しなさい」

「今はその時じゃないみたいだから」

「ならいつ出すつもりなの」

「先生が年下に興味出たらかな」

「東大生」

「書いた」

「第二志望は?」

「第一と同じ」

「それじゃ第二志望にならないでしょ」

「じゃあ東大生じゃなかったら?」

「ハーバード」

「普通逆じゃない?」

「海を挟んだ遠距離になるじゃない」

「ケンブリッジは?」

「はいはいじゃあそれは第三志望ね」

「書けた」

「わかってると思うけど、三者面談で親御さんにも見せるんだからね?」

「もう家族に挨拶?」

「バカ言ってないで書き直しなさい」

「先生」

「なに?」

「大学生の彼氏と専門学生の彼氏と、高卒社会人の彼氏ならどれがいい?」

「進路希望用紙くらいすぐに書き終えるタイプの人がいいわ」

「書いた」

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