第26話 魔神



今日も今日とて迷宮に潜る。


 出くわしたのは魔神【マイルフィック】


 悪魔みたいな外見なのにアンデッドなのとかレベルドレイン持ちだとか魔術抜きでも侍並みに強いのかよとか色々言いたい事はあるが最も重要なのはこいつが【核撃魔術】の使い手であるということだ。


 核撃魔術は龍に対して強いと言ったがそれ以上に強いのは対人間に対してだ。


 黒魔術に関してならワルドナ級のこいつはワルドナを抜けば最強の魔物と呼ばれている。


 いつもはこいつはポイズンジャイアントを引き連れているだけなので取り巻きを一掃すること容易だったが今回は違う。竜の大群、レッサーデーモンの大群、そしてグレーターデーモン一匹。最悪の戦いだ。


 しかし魔術師が次に唱えた魔術が全てをひっくり返した。


 戦闘開始直後に飛んだのは魔術師の【核撃魔術】ではなく■■■■魔術であった。■■に接続した魔術師によって発現した真の白魔法は、絶音魔術。


 発動者に敵対したもの全てが魔術を使えなくる最強の対魔術呪文。


 敵対者そのものでなく敵対者の周囲の音を断つ事で魔術を無効化するため対魔術結界が意味を成さない。対ワルドナ用の切り札。


 代償として魔術師のレベルが1下がってしまうがこいつらを皆殺しにして取り戻せば良い。


 呪文を止められ困惑している敵に飛んだのは侍の核撃魔術。


 超越者ハイマスターとなったこいつもついに核撃魔術を習得した。もうこうなると完全に化け物だ。竜が灰と化す。


 ハイマスターと化して未来予知に近い精度で敵の動きを観察できるようになった俺の領域がグレーターデーモンの未来の動きを読む。右手のスティレットでいなす。


左手の鎌を振るいグレーターデーモンの細胞と細胞の隙間に通す。


超感覚で細胞単位まで見れるようになった俺には細胞の隙間という耐久力ではどうしようもない死のラインが見える。


首を跳ねる。


 俺の首はね率もハイマスターになって6割程度まで上昇している。物理攻撃も10秒先の未来を読めるようになった俺にはほぼ当たらない。


 俺に物理攻撃を当てることができるのはワルドナとマイルフィックくらいしかいない


 ハイマスター化したのは司祭もだがこいつはまだ微妙だ。そう遠くない未来に快癒魔術と核撃魔術を両方使える化け物になるとは思うのでそれまでの辛抱だ


 侍と戦士による気の範囲攻撃がレッサーデーモンを一掃する。


 これで終わればかっこよかったのだが相手は最強の魔神【マイルフィック】


 魔術を止められても強い。


 マリオネット化した生き残りを突撃させてみたり体内に盗賊の短剣をぶち込んでめちゃくちゃに変形させたりと色々とやったのだがこの状態からでも皆殺しにされたりレベルドレイン食らったりして仕留めるのに体感1週間かかった


 最終的に侍が一刀両断に絶ち俺が首を跳ね僧侶の退魔の剣が爆発させた。どれが魔神の命を奪ったのかは知らんが一応は魔神を始末した。

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