第27話 群体
今日も地上での楽しい生活だ。
レベルで圧倒的な強化がされる迷宮において地上での鍛錬は迷宮内で役に立つのか?答えはイエスだ。
一階や二階の敵ならレベルでのゴリ押しが通じるもののそれ以降の魔物はやれる範囲の限度までレベルを上げたうえで技術を身に着けた奴ばっかりだ。一、二レベル高かろうと技術が伴ってなければ絶対に負ける。死に戻りの中でそれは散々体感した。そのため高位の冒険者ほど必死になって地上でも鍛錬を重ねるのだ。最後は灰になり鍛錬がすべて無駄になると思っても。
侍も、僧侶も、戦士も、司祭も、魔術師も全員必死になって鍛錬している。
ワルドナ戦では死に戻りを連打して体感何年経っても仕留めて帰るのだ。こいつらと違って才能もない努力もしない、なんの取り柄もないクズが捧げられるのは死しかないのだから。
迷宮4強と呼ばれる五層の魔物達がいる。
ワルドナを除けば間違いなく迷宮最大の脅威だと断定できる具現化した死。
大悪魔【グレーターデーモン】
核撃魔術使いにしてワルドナ級の黒魔術士。
単体最強の魔神【マイルフィック】
迷宮最強の猛毒精製能力を持つハイマスター忍者級の領域の使い手。
地獄の道化師、【フラック】
悪性に目覚めた君主の成れの果て。
金色の魔人【レイバーロード】
今でこそ20%ぐらいの確率で勝てるが5層潜りたての頃はこいつらに遭遇することが死を意味した。
今でもこいつらと戦うのは避け、ドラゴン等の狩りやすい相手を狩っている。しかし英雄譚でもそうだが大体どんな作品でもドラゴンは最終的にカモとかかませになるよな、ガチの最強ポジションについてるやつなんて金剛龍帝しか知らんぞ。なんでだ?
いつも通りドラゴンを狙い核撃魔術で灰にしていたら二本目のカシナートを入手した。
幸先良いなと思っていたら追加で新たに入手したのは
三種の神器の一角、【手裏剣】
ヒイズル国製の最強の短剣。
即死、レベルドレインに対する耐性付与効果、カシナートすら凌ぐ切れ味に加え、所有者から離れても、起動せよ《エクスペールギースキー》と唱えると手元に戻ってくる効果もある。
まさに君主の鎧や魔除けに匹敵するアイテム…のはずなんだが正直微妙だ。
いつでもどこからでも変幻自在の盗賊の短剣を出せる俺にはあまり必要ない。
片手が手裏剣で埋まっているとその手から盗賊の短剣を出せないので戦い方が大幅に狭まる。
手元に戻ってくる効果を使って何か良い使い方がないか試してみたが結局オーラ武器以外を使わない似非徒手空拳で戦うのが一番良いと言う結論が出ただけであった。
耐性効果は優秀なので対ヴァンパイア、ボーパルバニーへの防具としては悪くないとは思ったが結局使わないことにした。
オーラ製盗賊の短剣を使った戦い方に慣れてない魔術師ならデメリットがあまり無いのでこいつに使わせることにする。
ホクホク顔の俺達の前に奴らは現れた。
以前ワルドナを抜けば迷宮最強の個はマイルフィックだといったことがある。それでは迷宮最強の群は?眼の前に現れたグレーターデーモンの大群によって魂が焼き切れるほどにその答えを教えられることとなった
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