第22話 核撃
君主の鎧、【白銀】の装備にして白銀の異様な戦闘力の要因の6割を占めていた規格外のマジックアイテム。
効果は即死とレベルドレインという最悪の追加効果二つに対する耐性付与、魔除けに匹敵する自動再生能力の付与、即死攻撃【退魔の剣】の習得の三種。 もちろん防具としての効果も迷宮最高峰。本当にとんでもないマジックアイテムを引いてしまった。パーティも大騒ぎだ。普段冷静な戦士や魔術師も興奮を隠せていない。
本当に素晴らしいのだがたった一つ問題がある。うちのパーティにこれを装備できるやつがいないということだ。
ともかくこれをどう活用するかを帰って一晩寝てから話し合うこととなった。
次の日の朝俺達は全員レベル13になっていた。マスターレベルだ。全員マスターレベルのパーティは白銀の盾が失踪して以降初となる。
魔術師も僧侶も全ての系統内魔術を習得した。新たに覚えた黒魔術は核撃魔術、転移魔術、■■■■魔術の三種でありどれも恐ろしく優秀だ。
今回の一番の目玉である【核撃魔術】の恐ろしさはワルドナやマイルフィックに使われていやというほど知っている。
打たれれば一発で侍以外死ぬ。
たまに侍ごと死ぬ。
範囲も威力も上位凍結魔法の倍、最強の系統内攻撃魔術という異名に違わない反則級の魔術だ。
対魔物戦では対魔術結界に阻まれて、敵に使われた時ほどの効果は発揮しないだろうがそれでも結界さえ抜ければグレーターデーモンですら一撃で灰だ。
これが使えるおかげでレベル13は【マスターレベル】とされ、レベル12以下とは別物として扱われるのだ。実際対人ではこれ一発で方がつく
【転移魔術】も恐ろしく便利だ。
座標を設定しその地点に転移する。
睡眠魔法の比では無いほど地上において猛威を振るった魔法だが長くなるため省略する。
迷宮内でも強力だが五層の大部分に転移防止の結界が貼られているので即座にワルドナ前に転移、不意打ち後即転移でバックレとかができないのが残念だ。
五層においては単なる移動魔術でありそれより上でも下でもない
しかし今までは五層の探索をするために一層から四層を通り五層の探索が終わったらまた一層から四層を戻らなければならなかったが、これのお陰で即五層探索、終わったら即帰還ができる。
描写を省いていたが五層に向かうまでにボーパルバニーに首をはねられた事やらナイトストーカーにレベルドレイン喰らうことが10回くらいあったためそれを無くせるのはでかい。
これ一つで誇張抜きで五層の探索効率が10倍になる。
【■■■■魔術】は大いなる■■に嘆願し奇跡を起こす魔術だ。
起こる効果は本物の白魔法。
魔術結界含めたあらゆる障壁を無視して強制的に沈黙させる魔術やパーティの死者を確実に蘇生させる魔術など既存の白魔法とは一線を画す。
それもそのはず、白魔法は真なる白魔法を模した模造品に過ぎないのだから。寺院はこれを隠してこそいないもののこの事実は敵視しており白魔法で大いなる■■に接続できないか色々とやっているようだ。
しかしこれにはレベルを捧げるという特大の代償がある。
セルフレベルドレインという特大の代償と教会に敵視されていることのせいで禁術と呼ばれ、よほどの事が無いと使われない魔術だ。
しかし、ワルドナとの絶望的な差を埋めるのにはこれほど適している魔術はない。最終兵器としてせいぜい役立たせてもらおう。
それに対し白魔術はなんというか…微妙だ。
雷を呼び出す上位雷撃魔術と上位蘇生魔術。
上位雷撃魔術は核撃魔術に見劣りするし上位蘇生魔術も蘇生率が多少上がっただけの対味方用火葬魔術であるため微妙。いや弱いわけではないんだが…もっとこう、なんか無かったか?
そしてマスターレベルになっても司祭は第四位階までしか魔術を使えない。産廃職と言われるのも当然
まあいい、これで以前から考えていたことができる。
転職やるぞ。
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