第17話 達人
ジャイアント、古代の地上における支配種族。しかし現代の迷宮内ではレベルアップができないという迷宮において致命的な欠点を持った種族。
ウドの大木、サンドバッグ、アイテム袋、カモなど散々な呼ばれ方をしている残念な連中だが例外がいる。
名は【ポイズンジャイアント】
特にこれといった脅威となる行動を持たない巨人族ではあるもののこいつは例外的に竜の息吹に匹敵する攻撃力の毒ブレスという脅威的な行動を持つ。
これだけの威力のブレスを撃つために体も血も猛毒がパンパンに詰まった毒袋のような構造をしているため下手に切りつけても猛毒の返り血に拠って切りつけた側が死んでしまう
身体能力もレベルでのブーストを受けられないという欠点を補うための徹底的な筋力強化により四層の連中と同レベル程度にはある。
徒党をくみ不意を突き先制ブレスによっていくつものパーティを潰してきた暗殺者。
不意をつかれれば全滅必至の怪物
それがこいつらポイズンジャイアントだ、
しかし脅威度は五層追加敵の中で間違いなくしたから数えた方が早い。
理由は窒息魔法が効いてしまうから。
外部的な要因でいくら強化されてもこいつは迷宮の弱者、巨人族。
弱者と判定したものを即死させる窒息魔法によってあっさり死ぬ。
奴らもそれを理解し不意打ちからの瞬殺を心がけているようだが不意打ち受けなければ負けない時点で五層の生物としては生温い。
そして例によってこいつも倒すことによって得られる魔力は桁違いだ。
不意打ちを領域で探知しパーティに伝える、その直後魔術師と侍が即座に窒息魔法で殲滅した結果今までで最高の魔力吸収ができた
全員がレベル13、通称マスターレベルとなるのも近い。
13という数字は実質的な人類の最高レベル。そしてワードナ討伐に最も近いとされていた白銀の盾の一般メンバーの平均レベルと同等だ
これ以降レベルアップ効率はガタ落ちするのでこれより上のレベルにはワルドナや【白銀】、【狂王】みたいな人間やめてる
マスターレベルとなった人間は超越者を目指してそのまま戦い続ける、もしくは転職により職業を変えできる事を増やす事によってより強くなれる。
転職についてはややこしいため一旦省略するが要は戦士の様な物理職は超越者コース、魔術師みたいな魔法職は転職コースを進んだほうが強いということを覚えておけば良い
レベル13が区切りになっている理由はもう一つある。このレベルの魔術師僧侶は職に対応した全ての系統内白黒を使えるようになるからだ。
黒魔法最高ランクである核撃魔術の凶悪さはワルドナに食らった事で身をもって知っている。
あれを俺達も使えるようになれば爆発的な強化が望める。
核撃魔術は対魔術結界が不得手な人間相手には反則級の効果を発揮するがもはや魔術結界を持ってて当然となってる五層の上澄みの奴らには単なる強い魔法どまりだろう。
しかし五層の奴らの取り巻きとして出てくる雑魚共を一掃できるのは魅力的だ。
本格的に五層を攻略する際の生命線となるだろう。
帰還後僧侶に呼ばれ鍵開けのレクチャーをする羽目になった。
こいつは町のネズミ捕り用の毒餌を拾い食いして寝込んだり、ちょうちょ追っかけて隣町まで行ったりクサれボッタクリクソ寺院で暇な時働いていたりと行動だけ見ればホームラン級のアホだが魔術師と同じく恐ろしく飲み込みが早い。
手駒のご機嫌取りくらいの気持ちで教えていたが土が水吸うように知識を吸収してくれるのはやはり快感だ。魔術師に教えていた時のノウハウも絡めて教える事に熱中してしまった。
その結果僧侶が編み出したのは罠鑑定魔術。今まで罠鑑定は俺と魔術師の二重チェック方式でやっていたが100回に一回程度はどちらもミスをする時がある。
そしてその一回のミスは致命的なダメージをパーティに与える。そのため罠対策をどうするかが俺と魔術師は話し合っていたのだが意外なところから解決法が飛び込んできた。精々利用させてもらおう。
馬小屋で寝ていたときに僧侶から聞いた寺院での噂話を思い返す。
ワルドナの過去に何があったのかを。
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