第15話 賢者

これからの決意とかここまでこれたことへの感謝とか仲間への称賛とか絆()の再確認とか今どき流行らないしょうもない掛けあい(侍主導)後に意気揚々と5層に突入。


 直後お散歩中のワルドナに出くわした。

 こんなことってある?

 戦ってみた結果結論から言うと大陸最強の評価に違わない。

 

こいつ魔術師のくせに普通に侍と戦士と僧侶が束になってかかっても素手でインファイトして押し切れるほどに強い。


 圧倒的な戦士としての実力を見せつけた上奴が使用してきたのは【領域】


 俺にだけは察知できる全身を舐め回されるような不快な感覚が全身に伝わる。


 俺を上回る領域展開能力と俺を遥かに上回る身体能力で持って俺は一瞬で首をはねられた。


 その上こいつは何体かの魔物と融合しているようでナイトストーカーの手やらワイバーンの爪やらゾンビの爪やらに身体の一部を変化させる能力がある。当然の如く麻痺やら毒やらレベルドレインまで扱う。

 

 体の一部を赤竜にかえて火炎ブレスまで放つ。

本当に人間かよ。


魔物への変身能力を活かし触手をワイヤーの様に放ち距離詰めや拘束に使ったりもしてくる。俺も盗賊の短剣で似たようなことができるが明らかに奴の方は極めて練度が高い。


 盗賊の短剣二刀流とオーラの外套を作り出した完全武装の俺をワイヤーもどきで拘束してハンマーみたいに振り回して戦士を爆散させたのは一周回って笑った。


 すげえ、体感一時間で1000回は死んでいるぞこんなハイスピードで何度も殺されることは無かった。しかもこいつ使


 死に戻りループを使った圧倒的な試行回数で即死を押し付けようにもこいつの魔除けの即死効果無効効果がこれを阻む

首はねへの最適解ルートを魔除けが結界で防護しているのでまともに攻撃通らん。


 魔除けさえなければループを利用し10000回くらい挑めば首はねて俺達が勝っていただろうがそんな簡単に逆転を許すようなら大陸最強とは呼ばれていないだろう。


 結局奴が魔術を使ったのは侍がかなりいい攻撃を入れた回のみ。たった一度だ

 奴が唯一使ったのは系統内魔術最強の攻撃魔術。


黒系統第7位階【核撃魔術】


 異世界から持ち込まれたという最強最悪の兵器を模倣した炎を越した熱エネルギーが放たれた。

 基本的に迷宮の壁や床はレッサーデーモン等とは比較にならないほど高い対魔術耐性を持つのだがそれを貫通し壁や床にもダメージを与えるほどの攻撃であった。


 侍だけはギリギリ生き残ったようだがかなり強くなったはずの俺たち五人はたった一撃のもと灰と化した。


 クソッタレ!パワーアップイベント挟んだらしばらくは無双回だろうがよ!


 結局最後は逃げ切れたし何かループ内の会話で司祭が俺の国のクソッタレ【盗賊王】であった事が発覚したりと色々としれたのは良かったが。


そのおっぱいで元男とか嘘だろお前。あまりの衝撃にとばっちりの恨みもすっ飛んだ。


 え?そんなのどうでも良いからどうやって逃げ出したかだけ教えろ?

 言いたくない。

 言えるはずがない。

 俺のあだ名が【期待の超新星】、【白銀の後継】から【変態全裸粗チン大王】に変わったことから察してくれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る